数学Ⅱ : 指数関数と対数関数 整数の桁数

例題

$\log_{10}2=0.3010$のとき、$2^{100}$について、次のものを求めなさい。
(1) 桁数
(2) 最上位の数字

(1)

まず、例として3桁の整数を考えてみよう。
3桁の整数は
$100$
$\vdots$
$999$
の数だけど、これは
$100\leqq$ $100$
$\vdots$
$999$
$\lt 1000$
より $10^{2}\leqq$ $100$
$\vdots$
$999$
$\lt 10^{3}$
と書ける。
つまり、
$ 10^{2}\leqq$3桁の整数$ \lt 10^{3}$
と言える。
このことから、$n$を整数として、
$10^{n-1}\leqq n$桁の整数$ \lt 10^{n}$式A
と考えられる。

この考え方を使って問題を解く。


式Aより、
$10^{n-1}\leqq 2^{100} \lt 10^{n}$式B
となる整数$n$を見つければ、それが桁数だ。

式Bの各辺の常用対数をとる。常用対数は底が$10$の対数で、$1 \lt 10$なので不等号の向きは変わらない。
$\log_{10}10^{n-1}\leqq\log_{10}2^{100} \lt \log_{10}10^{n}$
$(n-1)\log_{10}10\leqq 100\log_{10}2 \lt n\log_{10}10$

ここで、$\log_{10}2=0.3010$,$\log_{10}10=1$なので、
$n-1\leqq 100\times 0.3010 \lt n$
$n-1\leqq 30.10 \lt n$式C
となる。
$n$は整数なので、
$n=31$
となるから、$2^{100}$は$31$桁の数である。

解答$31$桁

(2)

(1)の計算を振り返ってみると、式Bの
$10^{n-1}\leqq 2^{100} \lt 10^{n}$
を変形して、式Cの
$n-1\leqq 30.10 \lt n$
をつくった。

式Cから、底が$10$の指数不等式をつくると、底の$10$は$1$より大きいので、
$10^{n-1}\leqq 10^{30.10} \lt 10^{n}$
とかける。
これを式Bと見比べると、
$2^{100}=10^{30.10}$式D
であると考えられる。

詳しく $10^{x}=2^{100}$
とおく。
両辺の常用対数をとって、
$\log_{10}10^{x}=\log_{10}2^{100}$
これを変形すると、
$x\log_{10}10=100\log_{10}2$
$x=100\times 0.3010$
$x$$=30.10$
となるので、
$2^{100}=10^{30.10}$
である。

式Dは、さらに
$2^{100}=10^{0.10}\times 10^{30}$式E
と変形できるけど、これは化学で習ったアボガドロ数の
$6.02\times 10^{23}$
なんかと同じ形だ。
なので、$10^{0.10}$がどんな数か分かれば、$2^{100}$の最高位の数字が分かる。

$a=10^{0.10}$式F
とおくと、式Eは
$2^{100}=a\times 10^{30}$式E'
とかける。

で、$a$の値を考えるわけだけれど、式Fの両辺の常用対数をとると、
$\log_{10}a=\log_{10}10^{0.10}$
$\log_{10}a$$=0.10\log_{10}10$
$\log_{10}a$$=0.10$
である。

ここで、
$\log_{10}1=0$
問題文より、$\log_{10}2=0.3010$
なので、
$\log_{10}1 \lt \log_{10}a \lt \log_{10}2$
となる。

底の$10$は$1$より大きいので、この不等式は
$1 \lt a \lt 2$
と変形できる。
つまり、$a$は、整数部分が$1$の小数である。
これを
$a=1.??...$
と表すと、式E'は、
$2^{100}=1.??...\times 10^{30}$
とかける。

以上より$2^{100}$の最上位の数字は$1$である。

解答$1$