大学入学共通テスト 2025年(令和7年) 旧課程 追試 数学ⅠA 第4問 解説

(1)

$609$と$348$でユークリッドの互除法を行うと、
$609\div 348=1\ldots 261$
$348\div 261=1\ldots 87$
$261\div\AKA{87}=3$
となる。

なので、求める最大公約数は、赤い部分の
$87$
である。

解答ア:8, イ:7

①式の両辺を$87$で割ると、
$7x+4y=485$
ができる。

解答ウ:7, エ:4, オ:4, カ:8, キ:5


ここで、②式の右辺を$1$にした
$7X+4Y=1$
を考える。

まず、③の解をひとつ見つけよう。

$7$と$4$に$1$と$2$をかけると
$\left\{\begin{array}{l} 7\times 1=7\\ 4\times 2=8 \end{array}\right.$
なので、その差は$1$だ。

このことに気づくと、③の解のひとつは
$(-1,2)$
で、これを③式に代入すると
$7\cdot(-1)+4\cdot 2=1$式A
と表せることが分かる。

これに気づかなければ、ユークリッドの互除法で式Aをつくることになる。

ユークリッドの互除法を使った場合

$X$と$Y$の係数の$7$と$4$でユークリッドの互除法を使うと、
$7\div 4=1\ldots 3$式B1
$4\div 3=1\ldots 1$式B2

これを「$=$余り」の形に変形して、
$7-4\cdot 1=3$式B1'
$4-3\cdot 1=1$式B2'

式B2'に式B1'を代入すると、
$4-(7-4\cdot 1)\cdot 1=1$
$-7\cdot 1+4+4=1$
より、式Aの
$7\cdot(-1)+4\cdot 2=1$式A
ができる。

③式から式Aを辺々引くと、

$7X$ $+4Y$ $=$ $1$
$-)$ $7\cdot(-1)$ $+4\cdot 2$ $=$ $1$
$7(X+1)$ $+4(Y-2)$ $=$ $0$

となるから、
$-7(X+1)=4(Y-2)$式C
とかける。

ここで、$7$と$4$は互いに素なので、式Cが成り立つためには、$\ell$を整数として
$\left\{\begin{array}{l} X+1=4\ell\\ Y-2=-7\ell \end{array}\right.$式D
でなければならない。

したがって、③の不定方程式の解は、式Dを変形した
$\left\{\begin{array}{l} X=4\ell-1\\ Y=-7\ell+2 \end{array}\right.$($\ell$は整数)式D'
である。

式D'より、$X$が最小の正の整数になるのは、$\ell=1$のとき。
このとき、
$\left\{\begin{array}{l} \begin{aligned} X&=4\cdot 1-1\\ &=3 \end{aligned}\\ \begin{aligned} Y&=-7\cdot 1+2\\ &=-5 \end{aligned} \end{array}\right.$式E
である。

解答ク:3, ケ:-, コ:5


これを使って②の不定方程式を考える。

②の右辺を$y$の係数の$4$で割ると
$485\div 4=121\ldots 1$
より
$485=\AKA{4\times 121}+1$
となる。

この式の赤い部分を両辺にたすと、③式は
$7X+4Y+\AKA{4\times 121}=\AKA{4\times 121}+1$
$7X+4(Y+121)=485$③'
と変形できる。

③'は③式を変形した式だから、同じ方程式だ。
なので、③'の整数解のうち $X$が最小の正の整数なのは、式Eの
$\left\{\begin{array}{l} X=3\\ Y=-5 \end{array}\right.$式E
である。

また、②式を③'式と見比べると、
$\left\{\begin{array}{l} x=X\\ y=Y+121 \end{array}\right.$式F
だから、このときの$x$,$y$の解は、式Fに式Eを代入した
$\left\{\begin{array}{l} x=3\\ \begin{aligned} y&=-5+121\\ &=116 \end{aligned} \end{array}\right.\qquad$式G
であることが分かる。

解答サ:3, シ:1, ス:1, セ:6

アドバイス

今回は $x=X$ なので簡単だった。

だけど、$\alpha$,$\beta$を定数として
$x=\alpha X$

$ x=X+\beta$

などの形になったときには、$X$が最小の正の整数のときに$x$も最小の正の整数になるとは限らないから注意。

例えば
$x=-X$
のとき、$X$が正なら$x$は負になってしまう。

あとは、式Aから式D'までと同じ作業だ。

②式に式Gを代入して、
$7\cdot 3+4\cdot 116=485$

これを②式から辺々引くと、

$7x$ $+4y$ $=$ $485$
$-)$ $7\cdot 3$ $+4\cdot 116$ $=$ $485$
$7(x-3)$ $+4(y-116)$ $=$ $0$

となるから、
$-7(x-3)=4(y-116)$式H
とかける。

ここで、$7$と$4$は互いに素なので、式Hが成り立つためには、$k$を整数として
$\left\{\begin{array}{l} x-3=4k\\ y-116=-7k \end{array}\right.$式I
でなければならない。

したがって、②の不定方程式の解は、式Iを変形した
$\left\{\begin{array}{l} x=3+4k\\ y=116-7k \end{array}\right.$($k$は整数)式I'
である。

解答ソ:4, タ:7


この式I'を使って、コースAとコースBだけを使って$42195$mを走るときの それぞれのコースを$10$周以上走る場合が何通りあるかを考える。

コースAを$10$周以上走るので、
$10\leqq x$
これに式I'を代入して、
$10\leqq 3+4k$

これを解くと、
$7\leqq 4k$
$\dfrac{7}{4}\leqq k$式J
となる。

コースBも$10$周以上走るので、
$10\leqq y$
これに式I'を代入して、
$10\leqq 116-7k$

これを解くと、
$7k\leqq 106$
$k\leqq\dfrac{106}{7}$式K
となる。

このときのコースの選び方は、式Jと式Kの両方を満たす。

なので、
$\dfrac{7}{4}\leqq k\leqq\dfrac{106}{7}$
に含まれる整数の数だけある。

この式を小数に書きなおすと
$ 1.75\leqq k\leqq 15.14\ldots$
となるから、この範囲に含まれる整数は
$2$~$15$ の$14$個
ある。

よって、コースの選び方も
$14$通り
ある。

解答チ:1, ツ:4

(2)

(1)で考えたように、$609$と$348$の最大公約数は$87$だった。 なので、$x$,$y$が整数のとき、
$609x+348y=R$
の左辺は$87$の倍数である。

よって、$x$,$y$の整数解が存在するとき、④式の右辺($R$)も$87$の倍数である。

解答テ:0


このことから、$m$を整数として
$R=87m$式L
とかける。
これが、コースAとコースBを走る合計距離だ。

ここで、コースCの周回数を$z$とすると、コースCを走る距離は$100z$と表せる。

以上より、コースA,B,Cを合計$10000$m走る場合は
$87m+100z=10000$式M
と表せる。

式Lを見てすぐに分かることは、$m$が$100$の倍数であることだ。

詳しく

式Lの項のうち
$100z$は$100$の倍数
$10000$は$100$の倍数

だけど、$87$と$100$は互いに素だ。

したがって、$m$が$100$の倍数でないと式Lが成り立たない。

なので、
$m=100M$式N
とおくと、式Mは
$87\cdot 100M+100z=10000$
より
$87M+z=100$
とかける。

これを満たす正の整数$M$,$z$の組は
$(M,z)=(1,13)$
以外にない。

したがって、コースCを走る周回数は
$13$
しかない。

解答ト:1, ナ:3


このとき、$M=1$なので、式Nより
$m=100$
だから、式Lより
$R=87\cdot 100$
だ。

したがって、④式は
$609x+348y=87\cdot 100$
だけど、この両辺を$87$で割ると
$7x+4y=100$式O
となる。

(1)での作業を再利用して、この不定方程式を解く。

式Aの両辺を$100$倍して、
$7\cdot (-100)+4\cdot 200=100$

これを式Oから辺々引くと、

$7x$ $+4y$ $=$ $100$
$-)$ $7\cdot (-100)$ $+4\cdot 200$ $=$ $100$
$7(x+100)$ $+4(y-200)$ $=$ $0$

となるから、
$-7(x+100)=4(y-200)$式P
とかける。

ここで、$7$と$4$は互いに素なので、式Pが成り立つためには、$n$を整数として
$\left\{\begin{array}{l} x+100=4n\\ y-200=-7n \end{array}\right.$式Q
でなければならない。

したがって、式Oの不定方程式の解は、式Qを変形した
$\left\{\begin{array}{l} x=-100+4n\\ y=200-7n \end{array}\right.$($n$は整数)式Q'
である。


今求めているのは、全コースをそれぞれ$5$周以上走る場合、つまり
$\left\{\begin{array}{l} 5\leqq x\\ 5\leqq y \end{array}\right.$
の場合だ。

これは、式Q'より

$5\leqq -100+4n$
$105\leqq 4n$
$\dfrac{105}{4}\leqq n$

$5\leqq 200-7n$
$7n\leqq 195$
$n\leqq \dfrac{195}{7}$

の両方が成り立つ場合だから
$\dfrac{105}{4}\leqq n\leqq \dfrac{195}{7}$
のとき、小数で表すと
$26.25\leqq n\leqq 27.85\ldots$
のときだ。

この式を満たす整数$n$は
$n=27$
のひとつしかない。

これを式Q'に代入すると、

コースAの周回数$x$は
$$ \begin{align} x&=-100+4\cdot 27\\ &=8 \end{align} $$

解答ニ:8

コースBの周回数$y$は
$$ \begin{align} y&=200-7\cdot 27\\ &=11 \end{align} $$

解答ヌ:1, ネ:1

であることが分かる。