大学入学共通テスト 2026年(令和8年) 本試 数学ⅠA 第2問 [2] 解説

(1)

問題文中の図1,図2に少し描きたして、図A,図Bをつくった。

図A
大学入学共通テスト2026年本試 数学ⅠA 第2問 [2] 解説図A
図B
大学入学共通テスト2026年本試 数学ⅠA 第2問 [2] 解説図B

図A,図Bを見ながら、(a),(b) をひとつずつ考えよう。

(a)

$T_{\text{前}}$が$470$未満で$T_{\text{後}}$が$460$以上なのは、
図Aの黄色い範囲

$T_{\text{前}}$が$470$未満で$T_{\text{前後}}$が$460$以上なのは、
図Bの黄色い範囲


だ。

それぞれの範囲に含まれる点の数を数えると、
図Aは$7$個
図Bは$3$個

で異なっている。

なので、(a)は誤り。

(b)

図Aを見ると、$\mathrm{A}$の選手のタイムは
$T_{\text{前}} \lt T_{\text{後}}$ だ。

$T_{\text{前後}}$は$T_{\text{前}}$と$T_{\text{後}}$の平均値なので、
$T_{\text{前}} \lt T_{\text{後}}$ ならば $T_{\text{前}} \lt T_{\text{前後}} \lt T_{\text{後}}$ である。

したがって、$\mathrm{A}$選手は
$T_{\text{前}} \lt T_{\text{前後}} \lt T_{\text{後}}$
であることが分かる。

なので、(b)は正しい。

以上より、解答群のうち正しいものは

である。

解答ソ:2

(2)

それから、相関係数について復習しておこう。

復習

大きさ(サイズ)が同じ2つのデータがあり、
それぞれの標準偏差を $s_{x}$,$s_{y}$ ふたつのデータの共分散を $s_{xy}$ とするとき、ふたつのデータの相関係数 $r_{xy}$は
$r_{xy}=\dfrac{s_{xy}}{s_{x}\cdot s_{y}}$
である。

復習より、
$$ \begin{align} T_{\text{前}}\text{と}T_{\text{前後}}&\text{の相関係数}\\ &=\dfrac{T_{\text{前}}\text{と}T_{\text{前後}}\text{の共分散}}{T_{\text{前}}\text{の標準偏差}\times T_{\text{前後}}\text{の標準偏差}} \end{align} $$ である。

これに問題文中の表1の値を代入すると、
$$ \begin{align} T_{\text{前}}\text{と}T_{\text{前後}}\text{の相関係数}&=\dfrac{\AKA{\cancelto{243}{\KURO{72.9}}}}{8.3\times\AKA{\cancelto{31}{\KURO{9.3}}}}\\ &\doteqdot 0.944\ldots \end{align} $$ が求められる。

解答タ:6

(3)

(i)

問題文の最初にあった説明を思い出すと、外れ値は
「(第1四分位数)$-1.5\times$(四分位範囲)」以下の値
「(第3四分位数)$+1.5\times$(四分位範囲)」以上の値
だった。

ここで、箱ひげ図と四分位範囲について復習しておく。

復習

大学入学共通テスト2026年本試 数学ⅠA 第2問 [2] 復習図

以上より、問題文中の参考図に四分位範囲との関係を書き込むと、図Cができる。

図C
大学入学共通テスト2026年本試 数学ⅠA 第2問 [2] 解説図C

図Cより、求める四分位範囲を $x$ とすると、
$1.5x+x+1.5x=29.385-29.315$
$4x=0.52$
$x=0.13$
となる。

解答チ:1, ツ:3

(ii)

問題文中の図3について、(a),(b) のそれぞれが正しいかを考える。

(a)

図3の一番下、26位と21位の選手の箱ひげ図を見ると、最小値は$29$秒未満で、外れ値ではない。
なので、(a) は誤り。

(b)

例えば、図Cの上から5番目にある4位の選手の四分位範囲は、それより上にある6位,14位,12位の選手の四分位範囲より小さい。
なので、(b) は正しい。

よって、解答群のうち正しいものは

である。

解答テ:2

(iii)

問題文中の図3では、選手は上から分散が小さい順に並んでいるので、
図3の上半分が、問題文中の表2の1番~14番
図3の下半分が、表2の15番~28番

にあたる。

図3を見ると、5位の選手までが上半分、7位の選手からが下半分だ。
ここでは、図の上半分に含まれる決勝進出グループの選手の数を問われている。
これを直接数えるより、図の下半分に含まれる決勝進出グループの選手の数はぱっと見れば分かるから、これを決勝進出グループ全体の人数から引いた方が早い。

図の下半分に含まれる一桁順位の選手は$1$人で、その選手は9位じゃない
なので、下半分に含まれる決勝進出グループの人数は$1$人

決勝進出グループの人数は全部で$8$人

だから、問われている$n$は
$$ \begin{align} n&=8-1\\ &=7 \end{align} $$ である。

解答ト:7

よって、
$\left(\begin{gathered}\text{表の上半の}\\ \text{決勝進出}\\ \text{グループ人数}\end{gathered}\right)\ \gt \ \left(\begin{gathered}\text{表の下半の}\\ \text{決勝進出}\\ \text{グループ人数}\end{gathered}\right)$
である。

また、
$(\text{表の上半の人数}) = (\text{表の下半の人数})$
なので、
$\dfrac{\left(\begin{gathered}\text{表の上半の}\\ \text{決勝進出}\\ \text{グループ人数}\end{gathered}\right)}{(\text{表の上半の人数})} \gt \dfrac{\left(\begin{gathered}\text{表の下半の}\\ \text{決勝進出}\\ \text{グループ人数}\end{gathered}\right)}{(\text{表の下半の人数})}$
より
$P \gt Q$
であることが分かる。

解答ナ:2