大学入試センター試験 2015年(平成27年) 旧課程 旧課程 追試 数学ⅡB 第5問 解説
(1)
相関関係
$\mathrm{A}$の値は、平均値から計算するより、相関図にあって点数表にないデータを探した方が早い。
$(\mathrm{X},\ \mathrm{Y})=(5,\ 7)$の点が、点数表にないデータなので、
$\mathrm{A}=5$
$\mathrm{B}=7$
である。
解答ア:5, イ:7
$\mathrm{C},\ \mathrm{D},\ \mathrm{E}$は地味に計算しよう。
188データの代表値
平均値は、$7$を仮平均にすると、
$\displaystyle \mathrm{C}=7+\frac{0+0+8+1-5+3+4-4+3+0}{10}$
$\displaystyle \mathrm{C}$$\displaystyle =7+\frac{10}{10}$
$\mathrm{C}$$=8$
となる。
解答ウ:8, エ:0
中央値は、データの小さい方から5番目と6番目の平均なので、$7$と$8$の平均。
よって、
$\mathrm{D}=7.5$
である。
解答オ:7, カ:5
分散は、平均値が整数なので、$\overline{x^{2}}-\left(\overline{x}\right)^{2}$をするよりも、定義通り求めた方が楽かも。
復習
分散の定義は、
「偏差の2乗の平均」
つまり、
$\displaystyle \frac{(\text{値-平均})^{2}\text{の和}}{\text{データの大きさ}}$
だった。
分散と標準偏差
なので、
$\displaystyle \mathrm{E}=\frac{1}{10}\{(7-8)^{2}+(7-8)^{2}+(15-8^{2})$
$+(8-8^{2})+(2-8^{2})+(10-8^{2})$
$+(11-8^{2})+(3-8^{2})$
$+(10-8^{2})+(7-8^{2})\}$
途中式
$\displaystyle \mathrm{E}$$\displaystyle =\frac{1+1+49+0+36+4+9+25+4+1}{10}$
$\displaystyle \mathrm{E}$$\displaystyle =\frac{130}{10}$
である。
解答キ:1, ク:3, ケ:0, コ:0
$\mathrm{X}$と$\mathrm{Y}$の相関については、選択肢が
0正の相関関係がある
1相関関係はほとんどない
2負の相関関係がある
とおおざっぱなので、相関係数を求めるまでもない。
相関図の点が、左下から右上に連なっているように見えるので、正の相関がある。
解答サ:0
(2)
10人の$x$の和を$S_{x}$、10人の$y$の和を$S_{y}$とすると、
$x$の平均値は、$\displaystyle \frac{S_{x}}{10}$。
$y$の平均値は、$\displaystyle \frac{S_{y}}{10}$。
また、10人の$v$の和は$S_{x}+S_{y}$なので、平均値は、
$\displaystyle \frac{S_{x}+S_{y}}{10}=\frac{S_{x}}{10}+\frac{S_{y}}{10}$
となる。
以上より、$v$の平均値$=x$の平均値$+y$の平均値。
よって、
$v$の平均値$=9.0+8.0$
$v$の平均値$$=17.0$
解答シ:1, ス:7, セ:0
188データの整理
$v$が平均以上の人数は数えるしかない。
問題用紙の得点表に書きたして表Aをつくり、数えると、$v$が$17$以上は6人。
番号 | ゲームX | ゲームY | $v$ | $w$ |
---|---|---|---|---|
1 | 8 | 7 | 15 | 1 |
2 | 10 | 7 | 17 | 3 |
3 | 13 | 15 | 28 | -2 |
4 | 9 | 8 | 17 | 1 |
5 | 3 | 2 | 5 | 1 |
6 | 11 | 10 | 21 | 1 |
7 | 11 | 11 | 22 | 0 |
8 | 5 | 3 | 8 | 2 |
9 | 15 | 10 | 25 | 5 |
10 | 5 | 7 | 12 | -2 |
平均値 | 9 | 8 | ||
中央値 | 9.5 | 7.5 | ||
分散 | 13 | 13 |
解答ソ:6
$v$と$w$の相関図だけど、表Aから$w$は$-2$から$5$の間に収まっているのが分かる。
なので、0・1・2は×。
解答タ:3
と、ここで$v$と$w$の相関係数を求めよという問題が来た。本番のセンター試験で、時間に余裕がなければ、この問題は捨てた方が吉。焦っているときに面倒な計算をすると間違えたりするし、動揺もする。頑張って時間を使っても3点だし、他で点をとった方が効率がいいです。
相関係数は、地道に計算するしかない。
復習
相関係数は、
共分散$s_{vw}=\displaystyle \frac{1}{n}\{(v_{1}-\overline{v})(w_{1}-\overline{w})$
$+(v_{2}-\overline{v})(w_{2}-\overline{w})$
$+(v_{3}-\overline{v})(w_{3}-\overline{w})$
$+\cdots+(v_{n}-\overline{v})(w_{n}-\overline{w})\}$
を、それぞれの変数の標準偏差の積で割ったものだった。
一応確認すると、標準偏差は分散の正の平方根のこと。
相関係数
で、共分散から始めよう。
まず$v,\ w$の平均値を求め、それを使って生徒ごとに$v$の偏差$(v-\overline{v})$と$w$の偏差$(w-\overline{w})$を求め、さらに2つの偏差の積$(v-\overline{v})(w-\overline{w})$まで出したのが表Bである。
あとは、右端の列:$(v-\overline{v})(w-\overline{w})$の平均値を求めれば、それが共分散だ。
右端の列の和は、
$-33-5-9+32+15=0$
なので、平均値も$0$。
つまり、共分散は$0$である。
当然、共分散を標準偏差の積で割っても$0$。
よって、相関係数は$0$となる。
$v$ | $w$ | $v-\overline{v}$ | $w-\overline{w}$ | $(v-\overline{v})(w-\overline{w})$ | |
---|---|---|---|---|---|
1 | 15 | 1 | -2 | 0 | 0 |
2 | 17 | 3 | 0 | 2 | 0 |
3 | 28 | -2 | 11 | -3 | -33 |
4 | 17 | 1 | 0 | 0 | 0 |
5 | 5 | 1 | -12 | 0 | 0 |
6 | 21 | 1 | 4 | 0 | 0 |
7 | 22 | 0 | 5 | -1 | -5 |
8 | 8 | 2 | -9 | 1 | -9 |
9 | 25 | 5 | 8 | 4 | 32 |
10 | 12 | -2 | -5 | -3 | 15 |
平均値 | 17 | 1 |
解答チ:0, ツ:0, テ:0, ト:0
最後は標準偏差の大きさの問題だ。
標準偏差は、データの散らばりを表す値で、おおざっぱに言って「平均してどのくらい平均値からずれているか」を示している。
ちゃんと言うと、これは平均偏差の説明で標準偏差とはちょっと違うけど、センター試験対策としては大丈夫。
ここでは、標準偏差が大きいほど、データの散らばりが大きいということを憶えておこう。
で、相関図3を見ると、$v$の散らばりの方が$w$の散らばりよりもかなり大きい。
なので、
$S_{v} \gt S_{w}$
である。
解答ナ:1