大学入学共通テスト 2018年(平成30年) 問題例 記述式を含む 問題例1 [2] 解説

(1)

図A
大学入学共通テスト2018年 記述式を含む 問題例1[2] 解説図A

問われている$a$の小数部分は、図Aの緑の長方形の横幅にあたる。

詳しく

図Aの緑の長方形は、赤い長方形に1辺が$1$の正方形を敷き詰めた残り。
なので、緑の長方形の横幅は$1$未満である。

また、敷き詰める正方形の1辺は$1$なので、図Aの黄色い部分の横幅は必ず整数である。

よって、
$a=$黄の横幅$+$緑の横幅
$a$$=$整数$+1$未満の数
となるから、$a$の小数部分は緑の長方形の横幅にあたる。

これを$A$とおくと、
$a=A+3$
とかける。


赤い長方形と緑の長方形は相似で
赤い長方形は、短辺が$1$,長辺が$a=A+3$ 緑の長方形は、短辺が$A$,長辺が$1$ なので、
$1:A+3=A:1$
と表せる。

これを変形して、
$A(A+3)=1\cdot1$
$A^{2}+3A-1=0$
解の公式より
$A=\displaystyle \frac{-3\pm\sqrt{3^{2}-4\cdot 1\cdot(-1)}}{2\cdot 1}$
$A$$\displaystyle =\frac{-3\pm\sqrt{13}}{2}$

いま、$0 \lt A$なので、求める小数部分$A$は
$A=\displaystyle \frac{-3+\sqrt{13}}{2}$
$A$$\displaystyle =\frac{\sqrt{13}-3}{2}$
である。

解答ア:1, イ:3, ウ:3

(2)

図B
大学入学共通テスト2018年 記述式を含む 問題例1[2] 解説図B

(1)と同様に、図Bの緑の長方形の横幅を$B$とおく。
このとき、
求める小数部分は$B$ $b=B+9$ とかける。


赤い長方形と緑の長方形は相似で
赤い長方形は、短辺が$1$,長辺が$b=B+9$ 緑の長方形は、短辺が$B$,長辺が$1$ なので、
$1:B+9=B:1$
と表せる。

これを変形して、
$B(B+9)=1\cdot1$
$B^{2}+9B-1=0$
解の公式より
$B=\displaystyle \frac{-9\pm\sqrt{9^{2}-4\cdot 1\cdot(-1)}}{2\cdot 1}$
$B$$\displaystyle =\frac{-9\pm\sqrt{85}}{2}$

$0 \lt B$なので、
$B=\displaystyle \frac{-9+\sqrt{85}}{2}$式A
である。


ここで、平方根の表を見ると、
$\sqrt{85}\doteqdot 9.2195$
なので、式Aは
$B\displaystyle \doteqdot\frac{-9+9.2195}{2}$
とかける。

これを計算して、
$B\displaystyle \doteqdot\frac{0.2195}{2}$
$ B$$\doteqdot 0.1097\ldots$
小数第4位で四捨五入して、求める小数部分$B$は
$B\doteqdot 0.110$
である。

解答エ:1, オ:1, カ:0

(3)

図C
大学入学共通テスト2018年 記述式を含む 問題例1[2] 解説図C

(1)(2)と同様に、図Cの緑の長方形の横幅を$C$とおく。
このとき、
問題の小数部分は$C$ $c=C+n$ とかける。


赤い長方形と緑の長方形は相似で
赤い長方形は、短辺が$1$,長辺が$c=C+n$ 緑の長方形は、短辺が$C$,長辺が$1$ なので、
$1:C+n=C:1$
と表せる。

これを変形して、
$C(C+n)=1\cdot1$
$C^{2}+nC-1=0$
解の公式より
$C=\displaystyle \frac{-n\pm\sqrt{n^{2}-4\cdot 1\cdot(-1)}}{2\cdot 1}$
$C$$\displaystyle =\frac{-n\pm\sqrt{n^{2}+4}}{2}$

$0 \lt C$なので、
$C=\displaystyle \frac{-n+\sqrt{n^{2}+4}}{2}$式B
である。


問題文より
$C\doteqdot 0.162$
なので、式Bは
$\displaystyle \frac{-n+\sqrt{n^{2}+4}}{2}\doteqdot 0.162$
とかける。

これを変形して、
$-n+\sqrt{n^{2}+4}\doteqdot 0.162\cdot 2$
$\sqrt{n^{2}+4}\doteqdot n+0.162\cdot 2$
両辺を2乗して、
$n^{2}+4\doteqdot n^{2}+2\times0.162\cdot 2n+(0.162\cdot 2)^{2}$
$0.162\cdot 4n\doteqdot 4-(0.162\cdot 2)^{2}$
$0.162n\doteqdot 1-0.162^{2}$
$n\displaystyle \doteqdot\frac{1}{0.162}-0.162$
より
$ n\doteqdot 6.01\ldots$
と表せる。

いま、$n$は整数なので、
$n=6$
である。

解答キ:6