大学入試センター試験 2013年(平成25年) 本試 数学ⅠA 第2問 解説

図A
大学入試センター試験2013年本試 数学ⅠA第2問 解説図A

$x$軸方向に毎秒2の速さの点が、$x$座標が$-8$から$0$まで8動く時間は、
$\displaystyle \frac{8}{2}=4$
より、4秒。

解答ア:4

(1)

図Aで、
点Pの$x$座標は、$2t-8$
これを$y=-x$に代入して、$y$座標は$-(2t-8)$
ここで、点Pの$x$座標は負なので、
OP'$=-(2t-8)$
よって、緑の斜線の三角形の面積は、
△OPP'$=\displaystyle \frac{1}{2}(2t-8)^{2}$

点Qの$x$座標は$t$なので、$y$座標は$10t$
なので、青い斜線の三角形の面積は、
△OQQ'$=\displaystyle \frac{1}{2}t\cdot 10t$

以上より、
$S=\displaystyle \frac{1}{2}(2t-8)^{2}+\frac{1}{2}t\cdot 10t$
$S$$=2(t-4)^{2}+5t^{2}$
$S$$=2t^{2}-16t+32+5t^{2}$
$S$$=7t^{2}-16t+32$式A

解答イ:7, ウ:1, エ:6, オ:3, カ:2

図B
大学入試センター試験2013年本試 数学ⅠA第2問 解説図B

$S$の最小値を求める。
式Aの頂点の$t$座標は、
$\displaystyle \frac{-(-16)}{2\cdot 7}=\frac{8}{7}$
となるので、定義域$0 \lt t \lt 4$に入っている。
よって、式Aは下に凸のグラフだから、頂点が最小値になる。

解答キ:8, ク:7

アドバイス

平方完成をして頂点の座標を求めてもいいけど、平方完成では頂点の$y$座標(この場合は$S$座標)まで同時に計算する。
もし頂点が定義域から外れている場合、$y$座標は必要ないから、ムダな計算をすることになってしまう。
まして、今回は平方完成をすると分数が出て、計算が面倒。
なので、
$y=ax^{2}+bx+c$の軸(頂点の$x$座標)は、
$x=\displaystyle \frac{-b}{2a}$
を憶えておいて、こっちを使う。
解の公式の前半部分なので、憶えるのも楽だし。

最小値(頂点の$S$座標)は、式Aに$t=\displaystyle \frac{8}{7}$を代入して、
$S=7\displaystyle \cdot\left(\frac{8}{7}\right)^{2}-16\cdot\frac{8}{7}+32$
$S\displaystyle $$\displaystyle =\frac{8^{2}-16\cdot 8+7\cdot 32}{7}$
$S\displaystyle $$\displaystyle =\frac{8\cdot 4(2-4+7)}{7}$
$S\displaystyle $$\displaystyle =\frac{8\cdot 4\cdot 5}{7}$
$S\displaystyle $$\displaystyle =\frac{160}{7}$

解答ケ:1, コ:6, サ:0, シ:7


次は、定義域の両端が動くタイプの2次関数の最大最小の問題。
いつものように、5通りの場合分けを作ろう。

図C
大学入試センター試験2013年本試 数学ⅠA第2問 解説図C
図D
大学入試センター試験2013年本試 数学ⅠA第2問 解説図D
図E
大学入試センター試験2013年本試 数学ⅠA第2問 解説図E
図F
大学入試センター試験2013年本試 数学ⅠA第2問 解説図F
図G
大学入試センター試験2013年本試 数学ⅠA第2問 解説図G

(i)

図C~Gのうち、$S$が$t=\displaystyle \frac{8}{7}$で最小になるのは、図D~Fの定義域に頂点が含まれるとき。
この場合は
$a\displaystyle \leqq\frac{8}{7}\leqq a+1$
とかける。これを解いて、
$\displaystyle \frac{1}{7}\leqq a\leqq\frac{8}{7}$式B
問題文から、$0 \lt a \lt 3$だけど、式Bの範囲はすべて含まれるので、
$\displaystyle \frac{1}{7}\leqq a\leqq\frac{8}{7}$

解答ス:1, セ:7, ソ:8, タ:7

(ii)

図C~Gのうち、$S$が$t=a$で最大になるのは、 図C・Dの、放物線の軸が定義域の中央より右のとき。 図Eの場合は、最大となるのが$t=a,t=a+1$の2か所だけれど、問題文に「$t=a$のみで最大」とは書いてないので、これもOK。 定義域の中央は
$\displaystyle \frac{a+(a+1)}{2}=a+\frac{1}{2}$
なので、図C~Eの場合は
$a+\displaystyle \frac{1}{2}\leqq\frac{8}{7}$
とかける。これを解いて、
$a\displaystyle \leqq\frac{9}{14}$式C
問題文から、$0 \lt a \lt 3$なので、式Cとあわせて、
$0 \lt a\displaystyle \leqq\frac{9}{14}$

解答チ:9, ツ:1, テ:4

(2)

まず、3点O,P,Qを通る2次関数の式を求めよう。

(1)より、
点Pの座標は$(2t-8,-(2t-8))$
点Qの座標は$(t,10t)$

求める式を
$y=2x^{2}+bx+c$とすると、
点Oを通ることから、
$c=0$式D
点Pを通ることから、
$-(2t-8)=2(2t-8)^{2}+b(2t-8)+c$式E
点Qを通ることから、
$10t=2t^{2}+bt+c$式F

式Dを式Eに代入して、
$-(2t-8)=2(2t-8)^{2}+b(2t-8)$
$0 \lt t \lt 4$より $2t-8\neq 0$なので、両辺を$2t-8$で割って、
$-1=2(2t-8)+b$
$15=4t+b$式E'

式Dを式Fに代入して、
$10t=at^{2}+bt$
$0 \lt t \lt 4$より $t\neq 0$なので、両辺を$t$で割って、
$10=2t+b$式F'

式E'とF'で加減法をして、
$-)$$ 4t+b=15$
$\underline{-)2t+b=10}$
$-)$$ 2t=5$
$-)2\displaystyle $$\displaystyle t=\frac{5}{2}$

解答ト:5, ナ:2

式F'に$t=\displaystyle \frac{5}{2}$を代入して、
$2\displaystyle \cdot\frac{5}{2}+b=10$
$b=5$

以上より、3点O,P,Qを通る2次関数の式は、
$y=2x^{2}+5x$式G
であることが分かる。


最後の問題だ。$y=2x^{2}$のグラフをどのように平行移動すれば式Gのグラフになるか答えよという。
こういう問題は、頂点の座標から考えよう。

式Gの頂点の座標を求める。
今回は$x,y$両方の座標が必要だし、普通に平方完成をしよう。

$y=2\left(x^{2}+\frac{5}{2}x+\frac{5^{2}}{4^{2}}-\frac{5^{2}}{4^{2}}\right)$
$y\displaystyle $$\displaystyle =2\left(x+\frac{5}{4}\right)^{2}-2\cdot\frac{5^{2}}{4^{2}}$
$y\displaystyle $$\displaystyle =2\left(x+\frac{5}{4}\right)^{2}-\frac{25}{8}$

なので、式Gの頂点は
$\displaystyle \left(-\frac{5}{4},\ -\frac{25}{8}\right)$

$y=2x^{2}$の頂点は$(0,\ 0)$だから、
$(0,\ 0)$→$\left(-\frac{5}{4},\ -\frac{25}{8}\right)$ の平行移動。
よって、
$x$軸方向に$-\displaystyle \frac{5}{4}$
$y$軸方向に$-\displaystyle \frac{25}{8}$
平行移動すればよい。

解答ニ:-, ヌ:5, ネ:4, ノ:-, ハ:2, ヒ:5, フ:8