大学入学共通テスト 2026年(令和8年) 本試 数学ⅠA 第4問 解説

(1)

A,B,Cの3人でリーグ戦を行う場合を考える。

(i)

Aが勝つ確率は$\dfrac{2}{3}$なので、Aが2勝0敗で優勝する確率は

$\left(\dfrac{2}{3}\right)^{2}=\dfrac{4}{9}$
である。

解答ア:4, イ:9

(ii)

問題文中の表2の対戦結果になるのは
AがBに勝つ
BがCに勝つ
CがAに勝つ(AがCに負ける)

のすべてが起こる場合だ。

それぞれの場合の確率は、
AがBに勝つのは $\dfrac{2}{3}$
BがCに勝つのは $\dfrac{1}{2}$
AがCに負けるのは $1-\dfrac{2}{3}=\dfrac{1}{3}$

なので、すべてが起こる確率は
$\dfrac{\AKA{\cancel{\KURO{2}}}}{3}\times\dfrac{1}{\AKA{\cancel{\KURO{2}}}}\times\dfrac{1}{3}=\dfrac{1}{9}$式A
である。

解答ウ:1, エ:9

また、$n=$ 3人で抽選をしてAが選ばれる確率は
$\dfrac{1}{n}=\dfrac{1}{3}$式B
だった。

よって、表2の対戦結果の後 抽選でAが優勝する確率は
$\text{式A}\times \text{式B}=\dfrac{1}{9}\times\dfrac{1}{3}$式C
となる。

解答オ:1, カ:3

図A
大学入学共通テスト2026年本試 数学ⅠA 第4問 解説図A

3人すべてが1勝1敗である場合は、図Aの2パターンあって、同じ確率で起こる。

なので、Aが1勝1敗で優勝する確率は、式Cを$2$倍した
$\dfrac{1}{9}\times\dfrac{1}{3}\times 2=\dfrac{2}{27}$
である。

解答キ:2, ク:2, ケ:7

さらに、Aが2敗すると優勝することはないから、Aが優勝するパターンは上の2つしかない。

以上より、Aが優勝する確率は、クケをたした
$$ \begin{align} \dfrac{4}{9}+\dfrac{2}{27}&=\dfrac{12+2}{27}\\ &=\dfrac{14}{27}\TF{式D} \end{align} $$ であることが分かる。

(2)

次は、A,B,C,Dの4人でリーグ戦を行う場合だ。

(i)

全敗する人がいて、Aが2勝1敗で優勝するときの確率を求めよう。

まず、Dが全敗する場合を考える。

DがAに負ける確率は$\dfrac{2}{3}$
DがB,Cに負ける確率はともに$\dfrac{1}{2}$

なので、Dが全敗する確率は
$\dfrac{2}{3}\times\left(\dfrac{1}{2}\right)^{2}=\dfrac{1}{6}$式E
だ。

解答コ:1, サ:6

この段階での対戦結果は 表B(問題文中の表3と同じ)のような状態だ。

表B
勝ち数負け数抽選
×××

表Bの時点では、A,B,C は全員1勝0敗だ。
なので、この後の対戦でAが1勝1敗して優勝すれば、Dとの対戦結果を含めると2勝1敗で優勝することになる。

そのためには、表Bの緑の部分は
B,Cは2勝しない
(2勝するとAが優勝できない)

B,Cは2敗しない
(2敗すると他の誰かが2勝してしまう)


ような対戦結果でなければならない。
つまり、3人とも1勝1敗しなければならない。

3人が1勝1敗し、その後の抽選でAが優勝する確率は、クケで考えた
$\dfrac{2}{27}$式F
だった。

よって、Dが全敗し、Aが2勝1敗で優勝する確率は
$$ \begin{align} \text{式E}\times \text{式F}&=\dfrac{1}{\AKA{\cancelto{3}{\KURO{6}}}}\times\dfrac{\AKA{\cancel{\KURO{2}}}}{27}\\ &=\dfrac{1}{3\cdot 27}\TF{式G} \end{align} $$ である。

以上、Dが全敗する場合を考えた。
しかし、全敗するのはBやCでもいいから、全敗する人の選び方は3通りある。
だれが全敗する場合でも 式Gの確率は変わらない。

したがって、全敗する人がいて、Aが2勝1敗で優勝する確率は
$$ \begin{align} \text{式G}\times 3&=\dfrac{1}{\AKA{\cancel{\KURO{3}}}\cdot 27}\times\AKA{\cancel{\KURO{3}}}\\ &=\dfrac{1}{27} \end{align} $$ となる。

解答シ:1, ス:2, セ:7

(ii)

今度は、全敗する人がいなくて Aが2勝1敗で優勝するときの確率だ。

まず、問題文のように、AがBに負けC,Dに勝つ場合、つまり 表C(問題文中の表4と同じ)のような場合を考える。

表C
勝ち数負け数抽選
×
×
×

この後の対戦(表Cの緑の部分)は、
C,Dは2敗しないルールA
(全敗の人ができてはいけない)

Bは2勝しないルールB
(Bが優勝してはいけない)


でなければならない。


この先を、Bが
1勝1敗するときパターンA
2敗するときパターンB

の2つに場合分けして考える。

パターンA(Bが1勝1敗するとき)

このとき、C,Dの一方が2勝すると、他方が2敗してしまう。
なので、ルールAより、B,C,D ともに1勝1敗でなければならない。

図Aと同様に考えると、3人が1勝1敗になる対戦結果は2通りある。

よって、パターンAになる場合の数は
2通り式H
で、2通りとも 2勝1敗はAを含め2人いる。

パターンB(Bが2敗するとき)

パターンBは表Dのような場合だ。

表D
勝ち数負け数抽選
×
××
×
×

この後の対戦(表Dの緑の部分)は、
Cが勝つ
Dが勝つ

の2種類考えられる。

よって、パターンBになる場合の数は
2通り式I
で、2通りとも 2勝1敗はAを含め2人いる。

以上より、AがBに負けて2勝1敗で優勝す対戦結果は
$$ \begin{align} \text{式H}+\text{式I}&=2+2\\ &=4\TF{式J} \end{align} $$ 通りで、4通りとも 2勝1敗はAを含め2人いる。

解答ソ:4

別解

余事象を使った以下のような解き方もある。

表Cの時点で 残る対戦は3つなので、対戦結果は
$2^{3}=8$通り式K
ある。
この$8$通りから、ルールA,ルールBにあわない場合を引く方針で解く。

ルールAにあわない場合
(C,Dのどちらかが2敗する場合)

Cが2敗するとき、対戦結果は表Eのようになる。

表E
勝ち数負け数抽選
×
×××
×

表Eの時点で 残る対戦はひとつだから、Cが2敗する対戦結果は
$2^{1}=2$通り式L
ある。

このことから、Dが2敗する対戦結果も
$2$通り式M
あると考えられる。

ルールBにあわない場合
(Bが2勝する場合)

このとき、C,Dのどちらかは必ず2敗する。
したがって、ルールBにあわない場合はルールAにあわない場合に含まれている。
なので、式H,式Iで計算済みだから、考えなくていい。

以上より、AがBに負けて2勝1敗で優勝する対戦結果は
$$ \begin{align} \text{式K}-(\text{式L}+\text{式M})&=8-(2+2)\\ &=4\TF{式J} \end{align} $$ 通りあり、4通りとも 2勝1敗はAを含め2人いる。

解答ソ:4

別解

さらに、頭よりも手を使って、こんな解き方もできる。

表Cの時点で、残りの対戦は あ,い,う の3つある。
なので、表C以降の対戦結果は
$2^{3}=8$通り式K
ある。
この対戦結果を全部書き出すと、表Fができる。

表F
備考
B/CB/DC/DルールBに反する
D/C
D/BC/D
D/CルールAに反する
C/BB/DC/DルールAに反する
D/C
D/BC/D
D/C

表Fで、/の前が勝った人,後が負けた人だ。

表Fの 赤で消した ①,②,④,⑤ の対戦結果は、備考に書いた理由で不適だ。

よって、AがBに負けて2勝1敗で優勝する対戦結果は、③,⑥,⑦,⑧ の
4通り式J
あり、4通りとも 2勝1敗はAを含め2人いる。

解答ソ:4

以上、AがBに負ける場合を考えた。
しかし、Aが負けるのはCやDでもいいから、負ける相手の選び方は3通りある。

Aがだれが負ける場合でも、対戦結果が式Jの4通りあるのは変わらない。

したがって、全敗する人がおらず、Aが2勝1敗で優勝する対戦結果は全部で

$$ \begin{align} \text{式J}\times 3&=4\times 3\\ &=12\TF{式N} \end{align} $$ 通りある。


この12通りのうちのひとつが、表G(問題文中の表1と同じ)だ。

表G
勝ち数負け数抽選
×
×
××
××

この表の確率を考えると、
青い部分の確率は$\dfrac{1}{3}$
オレンジの部分の確率はそれぞれ$\dfrac{2}{3}$
黄色い部分の確率はそれぞれ$\dfrac{1}{2}$
抽選でAが選ばれる確率は$\dfrac{1}{2}$

なので、表Eの対戦結果でAが優勝する確率は
$$ \begin{align} \dfrac{1}{3}\times\left(\dfrac{2}{3}\right)^{2}\times&\left(\dfrac{1}{2}\right)^{3}\times\dfrac{1}{2}\\ &=\dfrac{\AKA{\cancel{\KURO{2^{2}}}}}{3\times 3^{2}\times 2^{\AKA{\cancel{\KURO{3}}}}\times 2}\\ &=\dfrac{1}{3\times 3^{2}\times 2^{2}}\TF{式O} \end{align} $$ である。

さらに、式Nの12通りは全部
Aが1回負ける
Aが2回勝つ
B,C,Dが合計3回勝つ
2人の抽選でAが選ばれる

場合だから、確率は式Oと等しい。

したがって、全敗する人がおらず、Aが2勝1敗で優勝する確率は、
$$ \begin{align} \text{式N}\times \text{式O}&=\AKA{\cancel{\KURO{12}}}\times\dfrac{1}{\AKA{\cancel{\KURO{3}}}\times 3^{2}\times\AKA{\cancel{\KURO{2^{2}}}}}\\ &=\dfrac{1}{9} \end{align} $$ となる。

解答タ:1, チ:9


長かったけど、ヤマは越えた。
ここまで来ると勝ったも同然だ。

これまでに考えたように、Aが2勝1敗で優勝する確率は
全敗する人がいる場合、
$\fbox{シ}\ \fbox{スセ}\ $の$\dfrac{1}{27}$式P

全敗する人がいない場合、
$\fbox{タ}\ \fbox{チ}\ $の$\dfrac{1}{9}$式Q


だった。

また、Aが3勝0敗で優勝する確率は
$\left(\dfrac{2}{3}\right)^{3}$式R
である。

これ以外に、Aが優勝するパターンはない。

以上より、Aが優勝する確率は、
$$ \begin{align} \text{式P}+\text{式Q}+\text{式R}&=\dfrac{1}{27}+\dfrac{1}{9}+\left(\dfrac{2}{3}\right)^{3}\\ &=\dfrac{1+3+2^{3}}{27}\\ &=\dfrac{12}{27}\TF{式S}\\ &=\dfrac{4}{9} \end{align} $$ となる。

解答ツ:4, テ:9


(1)で考えたように、3人のリーグでAが優勝する確率は、式Dの
$\dfrac{14}{27}$式D
だった。

式Sを式Dと比べると
$\dfrac{12}{27}-\dfrac{14}{27}=-\dfrac{2}{27}$
だから、4人のリーグでAが優勝する確率は、3人のリーグでAが優勝する確率よりも

$\dfrac{2}{27}$だけ小さい ことが分かる。

解答ト:2, ナ:2, ニ:7, ヌ:0