大学入学共通テスト 2026年(令和8年) 本試 数学ⅡBC 第3問 解説
(1)
(i)
$f(x)$を微分すると、
$f'(x)=x^{2}-4x+3$式A
となる。
解答ア:2
式Aはさらに
$f'(x)=(x-1)(x-3)$
と因数分解できるから、$f(x)$は
$x=1,\ 3$式B
で極値をもつ。
また、$f(x)$の3次の項の係数は正なので、グラフは全体として右上がりの図Aのような形になる。
以上より、$f(x)$のグラフは図Aの左端のような形になる。
したがって、式Bの$1$と$3$のうち
小さい方の
$x=1$
のとき $f(x)$は極大値をとり、その値は
途中式
$$
\begin{align}
f(1)&=\dfrac{1}{3}\cdot 1^{3}-2\cdot 1^{2}+3\cdot 1+k\\
&=\dfrac{1}{3}+1+k\\
\end{align}
$$
より
解答イ:1, ウ:9
大きい方の
$x=3$
のとき $f(x)$は極小値をとり、その値は
途中式
$$
\begin{align}
f(3)&=\dfrac{1}{3}\cdot 3^{3}-2\cdot 3^{2}+3\cdot 3+k\\
&=\AKA{\cancel{\KURO{3^{2}}}}-\AKA{\cancel{\KURO{2\cdot 3^{2}}}}+\AKA{\cancel{\KURO{3^{2}}}}+k\\
\end{align}
$$
より
解答エ:3, オ:5
である。
(ii)
(i)で考えたように、$y=f(x)$のグラフは図Aの左端のような形だった。
また、$x=0$のとき
$f(0)=k$式D
なので、グラフと$y$軸との交点は
$(0,\,k)$
である。
したがって、
$k=0$のとき、グラフと$y$軸は原点で交わるから、選択肢の
②
が正しい。
解答カ:2
$k \gt 0$のとき、グラフと$y$軸は原点より上で交わるから、選択肢の
⓪
が正しい。
解答キ:0
(iii)
$\alpha=1$のときを考える。
$f(0) \lt 0 \lt f(1)$
に式D,式Cを代入すると
$k \lt 0 \lt \dfrac{4}{3}+k$
とかける。
この式の各辺から$k$を引いて、
$0 \lt -k \lt \dfrac{4}{3}$
各辺に$-1$をかけると、このときの$k$の範囲は
$0 \gt k \gt -\dfrac{4}{3}$
$-\dfrac{4}{3} \lt k \lt 0$
である。
解答ク:8, ケ:0
これを図にすると、
$f(0) \lt 0 \lt f(1)$
が成り立つとき、$y=0$の直線、つまり$x$軸は図Bの黄色い範囲(緑の直線を除く)にある。
図Bに$x$軸を書き込んで、青い範囲を拡大すると図Cができる。
図Cの赤い面積と緑の面積が等しくなるような$k$の値を問われている。
積分して面積を求めると、計算結果は
横軸より下の部分の面積は負の値
横軸より上の部分の面積は正の値
になる。
よって、図Cで
赤$=$緑
ならば、
$\displaystyle \int_{0}^{\alpha}f(x)\,dx=0$式E
である。
解答コ:1
これを使って、このときの$k$を求める。
式Eより、
$\displaystyle \int_{0}^{1}\left(\dfrac{1}{3}x^{3}-2x^{2}+3x+k\right)\,dx=0$
となるけど、これを計算すると、
途中式
$\left[\dfrac{1}{3}\cdot\dfrac{x^{4}}{4}-2\cdot\dfrac{x^{3}}{3}+3\cdot\dfrac{x^{2}}{2}+kx\right]_{0}^{1}=0$
$\dfrac{1}{3\cdot 4}-\dfrac{2}{3}+\dfrac{3}{2}+k=0$
$k=-\dfrac{1-2\cdot 4+3\cdot 6}{3\cdot 4}$
なので、
である。
解答サ:-, シ:1, ス:1, セ:1, ソ:2
(2)
次は、いろいろな条件のもとで 3次関数がどんな形になるかの問題だ。
条件(a)
条件(a)より、
$g(0)=0$ なので、グラフは原点を通る。
$g'(0) \gt 0$ なので、$x=0$ のときのグラフの傾きは正
である。
選択肢のグラフのうち これにあてはまるのは、
①,②,④
の3つある。
解答タ:1, チ:2, ツ:4 (順不同)
条件(a) かつ 条件(b)
条件(b)は、導関数のグラフについての条件だ。
いい機会だから、3次関数とその導関数のグラフについてまとめておこう。
復習
3次関数を$f(x)$,導関数を$f'(x)$とする。
$f'(x)$は2次関数なので、$x$軸との関係は
異なる2点で交わる
1点で接する
共有点をもたない
の3パターンある。
3パターンそれぞれについて、$y=f'(x)$の放物線が上に凸の場合と下に凸の場合での、$y=f(x)$ と $y=f'(x)$ のグラフの関係を図にした。
図の説明をすると、
直線でつなげている点は$x$座標が等しい
$y=f'(x)$のグラフで、 赤い点は頂点 青い点は$x$軸との交点($f'(x)=0$の点) 紫の線は$0 \lt f'(x)$の部分 緑の線は$f'(x) \lt 0$の部分
$y=f(x)$のグラフで、 グラフは赤い点に関して対称(赤い点を中心に$180^{\circ}$回転しても同じグラフになる) 青い点はグラフの傾きが$0$ 紫の線はグラフの傾きが正の部分 緑の線はグラフの傾きが負の部分
だ。
$y=f'(x)$のグラフが$x$軸と異なる2点で交わるとき
$y=f'(x)$のグラフが$x$軸と1点で接するとき
$y=f'(x)$のグラフが$x$軸と共有点をもたないとき
復習より、条件(b)の
$y=g'(x)$ の放物線の軸が $y$軸
のとき、$y=g(x)$ のグラフは
$y$軸との交点に関して対称($y$軸との交点を中心に$180^{\circ}$回転しても同じグラフになる)
でなければならない。
なので、条件(a)にあてはまる
①,②,④
のうち、②は不適。
正解は、残りの
①,④
である。
解答テ:1, ト:4 (順不同)
条件(a) かつ 条件(b) かつ 条件(c)
さらに、テトのうち、条件(c)の
$y=g'(x)$は下に凸の放物線
にあてはまるものを考える。
さっきの復習より、正解は
④
なのは明らかなんだけど、せっかくだからちょっと違った説明もしておこう。
$y=g'(x)$のグラフが下に凸の放物線なので、
$g'(x)$の2次の項の係数は正
だ。
したがって、
$g(x)$の3次の項の係数も正
だから、$y=g(x)$のグラフは、(1)の図Aのような形になる。
テトの①,④のうち、これにあてはまるのは
④
しかない。
解答ナ:4