大学入試センター試験 2013年(平成25年) 追試 数学ⅡB 第1問 [2] 解説

(1)

②を平方完成して、
$(x^{2}-2ax+a^{2}-a^{2})+(y^{2}-4y+4-4)+a^{2}\leqq 0$
$(x-a)^{2}+(y^{2}-2)^{2}-4\leqq 0$
$(x-a)^{2}+(y^{2}-2)^{2}\leqq 4$

解答ス:a, セ:2, ソ:4

となるので、②は、
中心$(a,2)$
半径$2$
の円周上および内部である。

解答タ:2

この円を円Aとよぶ。
以上から、領域$A,B,C$をグラフにすると、図Aのようになる。赤い斜線部分が領域$A$、緑の斜線部分が領域$B$、赤と緑が重なった部分が領域$C$である。

図A
大学入試センター試験2013年追試 数学ⅡB第1問[2] 解説図A

(2)

図B
大学入試センター試験2013年追試 数学ⅡB第1問[2] 解説図B

直線$2x+y=24$と円が接する場合は、図Bの円のうち、右2つの場合。
中心の$x$座標をそれぞれ$d,e$とすると、 $d$のとき、領域$C=$領域$A$。 $e$のとき、領域$C$は円Aと直線の接点のみ。 なので、1。

解答チ:1

(3)

領域$A$と領域$B$が共通部分を持つのは、円Aが、図Bの赤い円と重なるか、間にあるとき。
なので、
$b\leqq a\leqq e$
である。

$b$は円Aが$y$軸に接するとき。円Aの半径は$2$なので、
$b=-2$

解答ツ:-, テ:2

$e$は円Aと直線$2x+y=24$が接するとき。
$e$の求め方は2つ考えられて、 解法1
円Aの方程式と直線の方程式で連立方程式をつくり、判別式に持ち込む。
解法2
円の中心$(a,2)$と直線の距離が$2$になる$a$を求める。おすすめ

解法1

円Aと直線の連立方程式をつくると、
$\left\{\begin{array}{l}
(x-a)^{2}+(y-2)^{2}=4\\
2x+y=24
\end{array}\right.$
下の式を
$y=24-2x$
と変形して、上の式に代入する。
$(x-a)^{2}+(24-2x-2)^{2}=4$
$(x-a)^{2}+(22-2x)^{2}-4=0$
$(x-a)^{2}+4\{(11-x)^{2}-1\}=0$
$x^{2}-2ax+a^{2}+4(11-x-1)(11-x+1)=0$
$x^{2}-2ax+a^{2}+4(10-x)(12-x)=0$
$x^{2}-2ax+a^{2}+4(120-22x+x^{2})=0$
$x^{2}-2ax+a^{2}+480-88x+4x^{2}=0$
$5x^{2}-2(a+44)x+a^{2}+480=0$
判別式をとると、
$D=\{-2(a+44)\}^{2}-4\cdot 5\cdot(a^{2}+480)$
ふたつの図形が接するから、判別式=0なので、
$\{-2(a+44)\}^{2}-4\cdot 5\cdot(a^{2}+480)=0$
$(a+44)^{2}-5\cdot(a^{2}+480)=0$
$a^{2}+88a+44^{2}-5a^{2}-5\cdot 480=0$
$-4a^{2}+88a+44^{2}-5\cdot 480=0$
両辺$-4$で割って、
$a^{2}-22a-11\cdot 44+5\cdot 120=0$
$a^{2}-22a-4(11^{2}-5\cdot 30)=0$
$a^{2}-22a+4\cdot 29=0$
解の公式を使って、、
$a=\displaystyle \frac{22\pm\sqrt{22^{2}-4\cdot 4\cdot 29}}{2}$
$a\displaystyle $$\displaystyle =\frac{22\pm 2\sqrt{11^{2}-4\cdot 29}}{2}$
$a$$=11\pm\sqrt{5}$
となる。
これが$d,e$なので、$e$は大きい方の
$11+\sqrt{5}$
である。

解答ト:1, ナ:1, ニ:5

解法2

復習

点と直線の距離の公式
直線$ax+by+c=0$

点$(\alpha,\beta)$
の距離$d$は、
$d=\displaystyle \frac{|a\alpha+b\beta+c|}{\sqrt{a^{2}+b^{2}}}$
だった。

これを使って解く。

直線の式は、$2x+y=24$より、$2x+y-24=0$
円の中心の座標は、$(a,2)$
点と直線の距離半径$=2$になればよいので、
$\displaystyle \frac{|2a+2-24|}{\sqrt{2^{2}+1^{2}}}=2$
$|2a-22|=2\sqrt{5}$
両辺$2$で割って、
$|a-11|=\sqrt{5}$
$a-11=\pm\sqrt{5}$
$a=11\pm\sqrt{5}$
となる。
これが$d,e$なので、$e$は大きい方の
$11+\sqrt{5}$
である。

解答ト:1, ナ:1, ニ:5

共通部分が領域Aと一致するのは、円Aが、図Bの青い円と重なるか、間にあるとき。
なので、
$c\leqq a\leqq d$
である。

$c$は円Aが$y$軸に接するとき。円Aの半径は$2$なので、
$c=2$

解答ヌ:2

$d$はこれまでの計算から$11-\sqrt{5}$だけど、これは問題文中に書いてある。

最後は、領域$C$の面積が領域$A$の面積の半分になるとき。

これは、図Cのように2つの場合が考えられる。

図C
大学入試センター試験2013年追試 数学ⅡB第1問[2] 解説図C

左の円の場合、円の中心が$y$軸乗にあるので、中心の$x$座標は$0$。

解答ネ:0

右の円の場合、円の中心が直線$2x+y=24$上にあるので、円Aの中心の座標$(a,2)$を直線の式に代入して、
$2a+2=24$
$a=11$
である。

解答ノ:1 ,ハ:1

別解

右の円は、図Bの右2つの円のちょうど真ん中にあるので、中心の$x$座標は
$\displaystyle \frac{(11+\sqrt{5})+(11-\sqrt{5})}{2}=11$
である。

解答ノ:1 ,ハ:1