大学入試センター試験 2017年(平成29年) 本試 数学ⅠA 第1問 [2] 解説

(1)

アドバイス

必要条件・十分条件の問題は、一般的には
$A\Rightarrow B$ ×
$A\Leftarrow B$ ○
ならば、$A$は$B$であるための必要条件
$A\Rightarrow B$ ○
$A\Leftarrow B$ ×
ならば、$A$は$B$であるための十分条件
って解くけど、○×の判定で混乱したり間違えたりすることが多い。

なので、数直線やベン図などで表せるときは、次のように集合の大小で考える方がおすすめ。

大学入試センター試験2017年本試 数学ⅠA第1問[2] 解説図

$A$が$B$を含んでいるとき、$A$は$B$であるための必要条件
大学入試センター試験2017年本試 数学ⅠA第1問[2] 解説図

$A$が$B$に含まれているとき、$A$は$B$であるための十分条件

「大は小の必要条件。」呪文のように憶えておこう。

数直線を描いてもいいんだけど、値が$x=\pm 1$で単純なので、ここでは表を作ることにする。


$q$と$p$について、

$q$の集合は、

$x$ $\cdots$ $-1$ $\cdots$ $1$ $\cdots$
$q$

$p$の集合は、

$x$ $\cdots$ $-1$ $\cdots$ $1$ $\cdots$
$p$

より、$q$は$p$を含んでいる。
なので、必要条件。

解答ケ:0


$\overline{p}$と$q$について、

$\overline{p}$の集合は、

$x$ $\cdots$ $-1$ $\cdots$ $1$ $\cdots$
$\overline{p}$

$q$の集合は、

$x$ $\cdots$ $-1$ $\cdots$ $1$ $\cdots$
$q$

より、$\overline{p}$も$q$も、お互い相手を含んでいない。
なので、必要条件でも十分条件でもない。。

解答コ:3


($p$または$\overline{q}$)と$q$について、

$p$と$\overline{q}$の集合から($p$または$\overline{q}$)をつくると、次のようになる。

$x$ $\cdots$ $-1$ $\cdots$ $1$ $\cdots$
$p$
$\overline{q}$
$p$または$\overline{q}$

$q$の集合は、

$x$ $\cdots$ $-1$ $\cdots$ $1$ $\cdots$
$q$

より、($p$または$\overline{q}$)も$q$も、お互い相手を含んでいない。
なので、必要条件でも十分条件でもない。。

解答サ:3


($\overline{p}$かつ$q$)と$q$について、

$\overline{p}$と$q$の集合から($\overline{p}$かつ$q$)をつくると、次のようになる。

$x$ $\cdots$ $-1$ $\cdots$ $1$ $\cdots$
$\overline{p}$
$q$
$\overline{p}$かつ$q$

$q$の集合は、

$x$ $\cdots$ $-1$ $\cdots$ $1$ $\cdots$
$q$

より、($\overline{p}$かつ$q$)は$q$に含まれている。
なので、十分条件。

解答シ:1

(2)

ここで、命題の真偽と集合の復習をしておこう。

復習

命題$A\Rightarrow B$が真の場合、集合$A$,集合$B$のベン図は

大学入試センター試験2017年本試 数学ⅠA第1問[2] 解説図 または 大学入試センター試験2017年本試 数学ⅠA第1問[2] 解説図

である。
言いかえると、
$A$が$B$に含まれるか等しいとき、$A\Rightarrow B$は真である。

ということで、(1)と同じように表を作ろう。


($p$かつ$q$)$\Rightarrow r$について、

$p$と$q$の集合から($p$かつ$q$)をつくると、次のようになる。

$x$ $\cdots$ $-1$ $\cdots$ $0$ $\cdots$ $1$ $\cdots$
$p$
$q$
$p$かつ$q$

$r$の集合は、

$x$ $\cdots$ $-1$ $\cdots$ $0$ $\cdots$ $1$ $\cdots$
$r$

なので、($p$かつ$q$)は$r$に含まれる。
よって、「($p$かつ$q$)$\Rightarrow r$」は真。


$q\Rightarrow r$について、

$q$の集合は、

$x$ $\cdots$ $-1$ $\cdots$ $0$ $\cdots$ $1$ $\cdots$
$q$

$r$の集合は、

$x$ $\cdots$ $-1$ $\cdots$ $0$ $\cdots$ $1$ $\cdots$
$r$

なので、$q$は$r$に含まれない。
よって、「$q\Rightarrow r$」は偽。


$\overline{q}\Rightarrow\overline{p}$について、

$\overline{q}$の集合は、

$x$ $\cdots$ $-1$ $\cdots$ $1$ $\cdots$
$\overline{q}$

$\overline{p}$の集合は、

$x$ $\cdots$ $-1$ $\cdots$ $1$ $\cdots$
$\overline{p}$

なので、$\overline{q}$は$\overline{p}$に含まれる。
よって、「$\overline{q}\Rightarrow\overline{p}$」は真。


以上より、選択肢のうち正しいのは②である。

解答ス:2