大学入試センター試験 2017年(平成29年) 本試 数学ⅠA 第4問 解説

(1)

まず、倍数の見分け方の復習をしよう。

復習

2の倍数:1の位が2の倍数 3の倍数:各桁の数字の和が3の倍数 4の倍数:下2桁が4の倍数 5の倍数:1の位が0,5 9の倍数:各桁の数字の和が9の倍数

復習より、$37a$が4の倍数になるためには、
$7a$が4の倍数 であればよい。

$70$台の自然数で4の倍数なのは
$72$ $76$ なので、
$a=2$,$6$
である。

解答ア:2, イ:6 (順不同)

(2)

復習より、$7b5c$が4の倍数になるためには、
$5c$が4の倍数 であればよい。

$50$台の自然数で4の倍数なのは
$52$ $56$ なので、
$c=2$,$6$
である。

また、$7b5c$が9の倍数になるためには、
$7+b+5+c$が9の倍数 であればよい。
つまり、
$7+b+5+c=b+c+12$
$7+b+5+c$$=(b+c+3)+9$
なので、
$b+c+3=9$
より、$b+c=6$
$b+c+3=18$
より、$b+c=15$
のどちらかであればよい。

これは結構たくさんありそうなので、表を書こう。

表A
$b$
0 1 2 3 4 5 6 7 8 9
$c$ 0
1
2
3
4
5
6
7
8
9

より、$11$個あった。

問われているのは4と9の公倍数なので、表Aの
赤いマス(4の倍数) ○のマス(9の倍数) の共通部分。
なので、3個ある。

解答ウ:3

このうち、$7b5c$が最小になるのは、$b$が最小のときなので、表Aで一番左にある
$b=0$,$c=6$
のとき。

解答エ:0, オ:6

$7b5c$が最大になるのは、$b$が最大のときなので、表Aで一番右にある
$b=9$,$c=6$
のとき。

解答カ:9, キ:6


$7b5c=(6\times n)^{2}$

$7b5c=6^{2}\times n^{2}$
$7b5c$$=(2\times 3)^{2}\times n^{2}$
$7b5c$$=4\times 9\times n^{2}$
と変形できるので、この場合の$7b5c$は、上で求めた3通りの中にある。

こういった場合、考えるよりも手を動かそう。
上で求めた3通りは、
$7056$ $7452$ $7956$ なので、この3つを$6^{2}$で割った、
$7056\div 6^{2}=196$ $7452\div 6^{2}=207$ $7956\div 6^{2}=221$ から、平方数を探す。

$15^{2}$は$225$なので、$221$が平方数とは考えにくい。
なので、答は$196$か$207$だ。

計算しやすい$196$からはじめると、
$2\underline{)196}$
  $2\underline{)98}$
  $7\underline{)49}$
      $7$
なので、
$196=2^{2}\times 7^{2}$
$196$$=14^{2}$
である。

$196$が$14^{2}$で、$225$が$15^{2}$だから、計算するまでもなく、$196 \lt 207 \lt 225$である$207$が平方数にはならない。

なので、答は
$b=0$,$c=6$,$n=14$
である。

解答ク:0, ケ:6, コ:1, サ:4

アドバイス

上の解説では、
$225=15^{2}$
を使った。
$15^{2}$だけでなく、憶えておくと便利な数字がいくつかある。
$11^{2}=121$ $12^{2}=144$ $15^{2}=225$ $5^{3}=125$ $2^{10}=1024$ などは知っておくとよい。

(3)

面倒だけど、$1188$を素因数分解しよう。
4桁の数字で、上2桁が同じ数字,下2桁が同じ数字だから、$11$で割り切れるはず。
$11\underline{)1188}$
  $2\underline{)108}$
    $2\underline{)54}$
    $3\underline{)27}$
      $3\underline{)9}$
         $3$
より、
$1188=2^{2}\cdot 3^{3}\cdot 11$
となる。

この2個の$2$,3個の$3$,1個の$11$からいくつか選んでかけ合わせると、$1188$の約数ができる。
例えば$2$を1個,$3$を1個,$11$を1個選んでかけ合わせた
$2^{1}\cdot 3^{1}\cdot 11^{1}=66$
は$1188$の約数であるし、
$2$を0個,$3$を0個,$11$を0個選んでかけ合わせた
$2^{0}\cdot 3^{0}\cdot 11^{0}=1$
も$1188$の約数である。
なので、約数は数字の選び方の数だけ存在する。

$2$の選び方は、0個,1個,2個の3通り $3$の選び方は、0個,1個,2個,3個の4通り $11$の選び方は、0個,1個の2通り だから、数字の選び方は全部で
$3\times 4\times 2=24$通り
ある。なので、約数も
$24$個
ある。

解答シ:2, ス:4

2の倍数も同じように考えよう。
2の倍数なので、「$2$を0個選ぶ」場合は不適。
なので、数字の選び方は
$2$の選び方は、1個,2個の2通り $3$の選び方は、0個,1個,2個,3個の4通り $11$の選び方は、0個,1個の2通り より、
$2\times 4\times 2=16$通り
ある。なので、約数も
$16$個
ある。

解答セ:1, ソ:6

4の倍数も同様に、
$2$の選び方は、2個の1通り $3$の選び方は、0個,1個,2個,3個の4通り $11$の選び方は、0個,1個の2通り より、
$1\times 4\times 2=8$通り
なので、約数も
$8$個
である。

解答タ:8


以上から、$1188$のすべての正の約数の中には、
2の倍数が$16$個 4の倍数が$8$個 ある。
この4の倍数の中には2の倍数も含まれるので、
2の倍数だけど4の倍数じゃないのが$8$個 4の倍数が$8$個 あることになる。
なので、これを全部かけ合わせると、$2$は
$2^{8}\times\left(2^{2}\right)^{8}=2^{8}\times 2^{16}$
$2^{8}\times\left(2^{2}\right)^{8}$$=2^{24}$
回かけることになる。
よって、すべての正の約数の積は、$A$を奇数として
$A\times 2^{24}$
と表せる。

さて、ここで
$65000$
って数を考えてみよう。
末尾には$0$が3個並んでるけど、何でだ?って考えると、
これは$10$進法の数で、
$65000=65\times 10^{3}$
だから、$10^{3}$の3だけ$0$が並んでいる
ということに気づく。

ということは、
$3^{10}$
を3進法で表すと、末尾には$0$が$10$個並ぶし、
$7^{10}$
を7進法で表すと、末尾には$0$が$10$個並ぶ
と考えられる。

以上の考え方から、
$A\times 2^{24}$
を2進法で表すと、末尾には$0$が$24$個並ぶ。

解答チ:2, ツ:4