大学入試センター試験 2015年(平成27年) 本試 数学ⅠA 第3問 解説
[1]
(1)
192データの散らばりと四分位数
40人の四分位数は、
第1四分位数
下から10人目と11人目の平均
第2四分位数
20人目と21人目の平均
第3四分位数
上から10人目と11人目の平均
である。
データの整理
ヒストグラムを見ると 上から10人目も11人目も25m以上30mの階級に入っているから、第3四分位数もここに含まれる。
よって、4。
解答ア:4
(2)
問題を解く前に、ヒストグラムから分かることをまとめておこう。
最小値は5m以上10m未満の階級に含まれる。 第1四分位数について、下から10人目も11人目も15m以上20m未満の階級に入っているから、第1四分位数もここに含まれる。 中央値(第2四分位数)について、20人目も21人目も20m以上25m未満の階級に入っているから、中央値もここに含まれる。 (1)より、第3四分位数は25m以上30m未満の階級に含まれる。 最大値は45m以上50m未満の階級に含まれる。
以上を表にすると、
0 ~ 5 |
5 ~ 10 |
10 ~ 15 |
15 ~ 20 |
20 ~ 25 |
25 ~ 30 |
30 ~ 35 |
35 ~ 40 |
40 ~ 45 |
45 ~ 50 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
小 | $Q_{1}$ | $Q_{2}$ | $Q_{3}$ | 大 |
となる。ただし、表中 最小値は「小」、中央値は$Q_{2}$、最大値は「大」と表記してある。
これに矛盾するのは、
$Q_{1}$が20m以上25m未満の階級に入っている 2・3・5
$Q_{3}$が30m以上35m未満の階級に入っている 0・2・3
である。
解答イ:0, ウ:2, エ:3, オ:5 (順不同)
(3)
選択肢の0~3を、ひとつずつ検討してゆこう。
まず、0。
A:どの生徒の記録も下がった場合、最小値・$Q_{1}$・中央値・$Q_{3}$・最大値ともに最初と同じ階級にあるか、下位の階級に移動しているはず。
問題中の箱ひげ図aを表Aと並べて書くと、
0 ~ 5 |
5 ~ 10 |
10 ~ 15 |
15 ~ 20 |
20 ~ 25 |
25 ~ 30 |
30 ~ 35 |
35 ~ 40 |
40 ~ 45 |
45 ~ 50 |
50 ~ |
|
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
最初 | 小 | $Q_{1}$ | $Q_{2}$ | $Q_{3}$ | 大 | ||||||
後日 | 小 | $Q_{1}$ $Q_{2}$ |
$Q_{3}$ | 大 |
となり、$Q_{1}$が上の階級に移動しているから矛盾。
次に、1。
B:どの生徒の記録も伸びた場合、最小値・$Q_{1}$・中央値・$Q_{3}$・最大値ともに最初と同じ階級にあるか、上位の階級に移動しているはず。
問題中の箱ひげ図bを表Aと並べて書くと、
0 ~ 5 |
5 ~ 10 |
10 ~ 15 |
15 ~ 20 |
20 ~ 25 |
25 ~ 30 |
30 ~ 35 |
35 ~ 40 |
40 ~ 45 |
45 ~ 50 |
50 ~ |
|
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
最初 | 小 | $Q_{1}$ | $Q_{2}$ | $Q_{3}$ | 大 | ||||||
後日 | 小 | $Q_{1}$ | $Q_{2}$ | $Q_{3}$ | 大 |
となり、矛盾しない。
それから、2。
C:上位$\displaystyle \frac{1}{3}$に入るすべての生徒の記録が伸びた→上位13人の記録が伸びた→$Q_{3}$・最大値が最初と同じ階級にあるか、上位の階級に移動しているはず。
問題中の箱ひげ図cを表Aと並べて書くと、
0 ~ 5 |
5 ~ 10 |
10 ~ 15 |
15 ~ 20 |
20 ~ 25 |
25 ~ 30 |
30 ~ 35 |
35 ~ 40 |
40 ~ 45 |
45 ~ 50 |
50 ~ |
|
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
最初 | 小 | $Q_{1}$ | $Q_{2}$ | $Q_{3}$ | 大 | ||||||
後日 | 小 | $Q_{1}$ | $Q_{2}$ | $Q_{3}$ | 大 |
となり、最大値が下の階級に移動しているから矛盾。
最後に、3。
D:上位$\displaystyle \frac{1}{3}$に入るすべての生徒の記録が伸び、下位$\displaystyle \frac{1}{3}$に入るすべての生徒の記録は下がった→上位13人の記録が伸び、下位13人の記録は下がった→、最小値・$Q_{1}$は最初と同じ階級にあるか下位の階級に移動、$Q_{3}$・最大値は最初と同じ階級にあるか上位の階級に移動しているはず。
問題中の箱ひげ図dを表Aと並べて書くと、
0 ~ 5 |
5 ~ 10 |
10 ~ 15 |
15 ~ 20 |
20 ~ 25 |
25 ~ 30 |
30 ~ 35 |
35 ~ 40 |
40 ~ 45 |
45 ~ 50 |
50 ~ |
|
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
最初 | 小 | $Q_{1}$ | $Q_{2}$ | $Q_{3}$ | 大 | ||||||
後日 | 小 | $Q_{1}$ | $Q_{2}$ | $Q_{3}$ | 大 |
となり、矛盾しない。
以上より、矛盾しているのは0のA-aと、2のC-cである。
解答カ:0, キ:2 (順不同)
[2]
復習
相関係数$r_{xy}$とは、
$r_{xy}=\displaystyle \frac{s_{xy}}{s_{x}\cdot s_{y}}$
ただし、$s_{xy}$は共分散
$s_{x}$と$s_{y}$はそれぞれのデータの標準偏差
だった。
相関係数
問題から
$s_{xy}=54.30$
$s_{x}=8.21$
$s_{y}=6.98$
なので、
$r_{xy}=\displaystyle \frac{54.30}{8.21\times 6.98}\doteqdot 0.95$
である。
解答ク:7