数学A : 場合の数と確率 大学入試センター試験 1997年追試 数学ⅠA第1問 [2] 解説

(1)

図A
大学入試センター試験1997年追試 数学ⅠA第1問 [2] 解説図A

2個の円がともに第5段にあるので、図Aの赤い5個の円から2個選ばれればよい。
5個から2個選ぶので、起こってほしい場合の数は
${}_{5}\mathrm{C}_{2}$式A
である。

また、すべての場合の数は、15個から2個選ぶので、
${}_{15}\mathrm{C}_{2}$式B
である。

よって、求める確率は
$\displaystyle \frac{{}_{5}\mathrm{C}_{2}}{{}_{15}\mathrm{C}_{2}}=\frac{\frac{5\cdot 4}{2\cdot 1}}{\frac{15\cdot 14}{2\cdot 1}}$
        $=\displaystyle \frac{2}{3\cdot 7}$
        $=\displaystyle \frac{2}{21}$
となる。

解答サ:2, シ:2, ス:1

(2)

(1)の流れで
2つの円がともに第2段にあるとき 2つの円がともに第3段にあるとき 2つの円がともに第4段にあるとき の場合の数を求めて、和を求めて確率を求めよう。

2つの円がともに第2段にあるとき、
②,③から2個選ぶので、場合の数は
${}_{2}\mathrm{C}_{2}$
2つの円がともに第3段にあるとき、
④~⑥から2個選ぶので、場合の数は
${}_{3}\mathrm{C}_{2}$
2つの円がともに第4段にあるとき、
⑦~⑩から2個選ぶので、場合の数は
${}_{4}\mathrm{C}_{2}$
2つの円がともに第5段にあるとき、
場合の数は式Aの
${}_{5}\mathrm{C}_{2}$
なので、2個の円が同じ段にある場合の数は
${}_{2}\mathrm{C}_{2}+{}_{3}\mathrm{C}_{2}+{}_{4}\mathrm{C}_{2}+{}_{5}\mathrm{C}_{2}$
である。

よって、求める確率は、これを式Bで割って、
$\displaystyle \frac{{}_{2}\mathrm{C}_{2}+{}_{3}\mathrm{C}_{2}+{}_{4}\mathrm{C}_{2}+{}_{5}\mathrm{C}_{2}}{{}_{15}\mathrm{C}_{2}}$
$=\displaystyle \frac{\frac{2\cdot 1}{2\cdot 1}+\frac{3\cdot 2}{2\cdot 1}+\frac{4\cdot 3}{2\cdot 1}+\frac{5\cdot 4}{2\cdot 1}}{\frac{15\cdot 14}{2\cdot 1}}$
$=\displaystyle \frac{1+3+2\cdot 3+5\cdot 2}{15\cdot 7}$
$=\displaystyle \frac{10+5\cdot 2}{15\cdot 7}$
$=\displaystyle \frac{2+2}{3\cdot 7}$
$=\displaystyle \frac{4}{21}$
となる。

解答セ:4, ソ:2, タ:1

(3)

「少なくとも」ということなので、排反事象の確率を求めて$1$から引こう。

排反事象は、
2個の円の中に①~⑥の円が含まれない つまり
⑦~⑮の9個の円から2個選ぶ 場合。

なので、排反事象の確率は
$\displaystyle \frac{{}_{9}\mathrm{C}_{2}}{{}_{15}\mathrm{C}_{2}}$
とかける。

求める確率は、これを$1$から引いた
$1-\displaystyle \frac{{}_{9}\mathrm{C}_{2}}{{}_{15}\mathrm{C}_{2}}=1-\frac{\frac{9\cdot 8}{2\cdot 1}}{\frac{15\cdot 14}{2\cdot 1}}$
              $=1-\displaystyle \frac{3\cdot 4}{5\cdot 7}$
              $=\displaystyle \frac{35}{35}-\frac{12}{35}$
              $=\displaystyle \frac{23}{35}$
である。

解答チ:2, ツ:3, テ:3, ト:5

(4)

あれこれ考えるよりやってみた方が早い。
接している円を青い線でつないで、図Bをつくってみた。

2個の円が接するのは、図Bの青い線でつないだ2個の円が選ばれた場合。

図B
大学入試センター試験1997年追試 数学ⅠA第1問 [2] 解説図B

つまり、2個の円が接する場合の数は、青い線の数だけある。

この青い線をそのまま数えてもいいんだけど、図Cのように考えると、
青い線の数は緑の三角形の辺の数と等しい ことが分かる。
つまり、
緑の三角形の数$\times 3$
だ。

図C
大学入試センター試験1997年追試 数学ⅠA第1問 [2] 解説図C

緑の三角形の数は、頂角、つまり図Cの赤い点の数を数えると早い。
頂角は①~⑩の円の中に1個ずつあるので、$10$個。
なので、緑の三角形も$10$個。
それを$3$倍して、辺の数は$30$。
よって、図Bの青い線の数も$30$なので、2個の円が接する場合の数は$30$だ。

以上より、求める確率は、$30$を式Bで割った
$\displaystyle \frac{30}{{}_{15}\mathrm{C}_{2}}=\frac{30}{\frac{15\cdot 14}{2\cdot 1}}$
         $=\displaystyle \frac{2}{7}$
である。

解答ナ:2, ニ:7