数学A : 場合の数と確率 大学入試センター試験 2005年本試 数学ⅠA第1問 [2] 解説

アドバイス

2次関数と確率をからめた問題が、過去何度か出題されている。
と言っても、2次関数の部分はぜんぜん難しくないから大丈夫。

(1)

グラフ$C$の式は
$y=x^{2}-\displaystyle \frac{b-2}{a}$
なので、頂点の$y$座標は
$-\displaystyle \frac{b-2}{a}=\frac{2-b}{a}$式A
である。

グラフ$C$は下に凸の放物線なので、頂点の$y$座標が

正のとき、共有点は0個式B
$0$のとき、共有点は1個
負のとき、共有点は0個

になる。


ということで、式Aの符号を考える。
けれど、分母の
$a$
は必ず正だから、分子の
$2-b$
の符号がそのまま式Aの符号、つまりグラフの頂点の$y$座標の符号だ。

$b$は小さい方のさいころの目だから、$1\leqq b\leqq 6$の整数。
なので、式Bとあわせて、さいころの目が

$1$のとき
     $2-b \gt 0$なので、共有点は0個
$2$のとき
     $2-b=0$なので、共有点は1個
$3,4,5,6$のとき
     $2-b \lt 0$なので、共有点は2個

とかける。

よって、共有点は

0個である確率は$\displaystyle \frac{1}{6}$式C
1個である確率は$\displaystyle \frac{1}{6}$
2個である確率は$\displaystyle \frac{4}{6}=\frac{2}{3}$

となる。

解答タ:1, チ:6, ツ:1, テ:6, ト:2, ナ:3

(2)

アドバイス

次に問われている期待値は、今の教育課程からは外れている。
一応解説は書いておくけど、読み飛ばしてもらってかまわない。

式Cより、期待値は
$0\displaystyle \times\frac{1}{6}+1\times\frac{1}{6}+2\times\frac{4}{6}$
とかける。

これを計算すると、
$\displaystyle \frac{1+2\times 4}{6}=\frac{9}{6}$
$\displaystyle \frac{1+2\times 4}{6}$$\displaystyle =\frac{3}{2}$
となる。

解答ニ:3, ヌ:2

(3)

共有点の$x$座標が整数なので、
グラフ$C$の式に$y=0$を代入した
$x^{2}-\displaystyle \frac{b-2}{a}=0$式D
の解が整数であればよい。

つまり、式Dを変形した
$x^{2}=\displaystyle \frac{b-2}{a}$
の右辺の
$\displaystyle \frac{b-2}{a}$
が整数の2乗になればよい。


ということで、表を書く。
$b=1$のときには共有点はないので$2\leqq b$のときだけ考えるんだけど、$b=1$のときもマスだけは作っておく方がお勧めだ。

まず、$b-2$の部分を計算すると、表Aができる。

表A
$b$$1$$2$$3$$4$$5$$6$
$b-2$-$0$$1$$2$$3$$4$

この$b-2$を$a$で割ると、表Bのようになる。

表B
$b-2$
-$0$$1$$2$$3$$4$
$a$$1$-$0$$1$$2$$3$$4$
$2$-$0$$1$$2$
$3$-$0$$1$
$4$-$0$$1$
$5$-$0$
$6$-$0$

表中、-は共有点がない場合、空欄は$\displaystyle \frac{b-2}{a}$が分数になる場合である。
分数になる場合は明らかに不適なので、計算しなかった。

表Bより、$\displaystyle \frac{b-2}{a}$が整数の2乗になるのは、赤いマスの部分で$11$通り。
マスの数は全部で$36$あって、すべて同じ確率で起こる。
よって、求める確率は
$\displaystyle \frac{11}{36}$
である。

解答ネ:1, ノ:1, ハ:3, ヒ:6