大学入試センター試験 2014年(平成26年) 本試 数学ⅡB 第5問 解説

(1)

188
データの代表値

生徒5の英語の得点$\mathrm{A}$は、9人の英語の得点をすべてたすと、平均値の9倍になるから、
$9+20+18+18+\mathrm{A}+18+14+15+18=16\cdot 9$
$\mathrm{A}=14$
である。

解答ア:1, イ:4

復習

まず、分散の復習をしよう。
分散$s^{2}$は、
データの大きさを$n$
それぞれのデータを$x_{1},\ x_{2},\ x_{3},\ \ldots\ x_{n}$
平均値を$\overline{x}$
としたとき、
$s^{2}=\displaystyle \frac{1}{n}\left\{(x_{1}-\overline{x})^{2}+(x_{2}-\overline{x})^{2}+(x_{3}-\overline{x})^{2}+\right.$
            $\left.\cdots+(x_{n}-\overline{x})^{2}\right\}$式A
$s^{2}$$=\overline{x^{2}}-\left(\overline{x}\right)^{2}$式B
だった。

193
分散と標準偏差

今回は英語の得点も2ケタが多いし、2乗して平均を出すのは大変なので、式Bよりも式Aを使った方が計算が楽。
よって、
$\displaystyle \mathrm{B}=\frac{1}{9}\{(9-16)^{2}+(20-16)^{2}+(18-16)^{2}$
       $+(18-16)^{2}+(14-16)^{2}+(18-16)^{2}$
       $+(14-16)^{2}+(15-16)^{2}+(18-16)^{2}\}$
$\mathrm{B}$$=10$

解答ウ:1, エ:0, オ:0, カ:0


$\mathrm{C}$と$\mathrm{D}$については、

$\mathrm{A}$を求めた方法と同様に、
$15+20+14+17+8+\mathrm{C}+\mathrm{D}+14+15=15\cdot 9$
$\mathrm{C}+\mathrm{D}=32$式C

解答キ:3, ク:2


次は相関係数から$\mathrm{C}$と$\mathrm{D}$の関係式を作るのだけれど、その前にちょっと復習をしておこう。

復習

相関係数とは、

まず、共分散を$s_{xy}$とすると、
$s_{xy}=\displaystyle \frac{1}{n}\{(x_{1}-\overline{x})(y_{1}-\overline{y})+(x_{2}-\overline{x})(y_{2}-\overline{y})$+
            $\cdots+(x_{n}-\overline{x})(y_{n}-\overline{y})\}$式D
$s_{xy}\displaystyle $$\displaystyle =\frac{1}{n}\sum_{k=1}^{n}x_{k}\cdot y_{k}-\overline{x}\cdot\overline{y}$

この共分散$s_{xy}$を、$x,\ y$それぞれの標準偏差の積で割った、
$r_{xy}=\displaystyle \frac{s_{xy}}{s_{x}\cdot s_{y}}$式E
が相関係数だった。

復習

標準偏差$s$は、分散を$s^{2}$とすると、
$s=\sqrt{s^{2}}$式F
だった。

式D中の$(x_{?}-\overline{x})$,$(y_{?}-\overline{y})$は値(この場合は得点)から平均値(この場合は平均点)を引いたものだけど、これを「偏差」という。
それぞれの生徒の英語と数学の偏差を求め、その積(これを偏差の交差積という)の平均を求めると、これが共分散だ。
分かりやすいように、計算を表Aにまとめた。

共分散$S_{xy}$は、表Aの右端の列の平均値。
なので、
$S_{xy}=\displaystyle \frac{1}{9}\{20-2+4+14$
                 $+2(\mathrm{C}-15)-2(\mathrm{D}-15)+1\}$
$S_{xy}=\displaystyle \frac{1}{9}(2\mathrm{C}-2\mathrm{D}+37)$式G

表A
得点 偏差
英語 数学 英語 数学 交差積
$x$ $y$ $x-\overline{x}$ $y-\overline{y}$ $(x-\overline{x})(y-\overline{y})$
生徒1 9 15 $-7$ $0$ $0$
生徒2 20 20 $4$ $5$ $20$
生徒3 18 14 $2$ $-1$ $-2$
生徒4 18 17 $2$ $2$ $4$
生徒5 14 8 $-2$ $-7$ $14$
生徒6 18 C $2$ $\mathrm{C}-15$ $2(\mathrm{C}-15)$
生徒7 14 D $-2$ $\mathrm{D}-15$ $-2(\mathrm{D}-15)$
生徒8 15 14 $-1$ $-1$ $1$
生徒9 18 15 $2$ $0$ $0$

また、各教科の標準偏差は、
式Eより、
英語は、$s_{x}=\sqrt{10}$ 数学も、$s_{y}=\sqrt{10}$ なので、式Eより、相関係数$r_{xy}$は
$r_{xy}=\displaystyle \frac{\frac{1}{9}(2\mathrm{C}-2\mathrm{D}+37)}{\sqrt{10}\cdot\sqrt{10}}$
$r_{xy}\displaystyle $$\displaystyle =\frac{2\mathrm{C}-2\mathrm{D}+37}{90}$
である。

これが$0.500$になればいいので、
$\displaystyle \frac{2\mathrm{C}-2\mathrm{D}+37}{90}=0.500$
$2\mathrm{C}-2\mathrm{D}+37=0.500\times 90$
$2\mathrm{C}-2\mathrm{D}+37$$=45$
$2\mathrm{C}-2\mathrm{D}=8$
$\mathrm{C}-\mathrm{D}=4$式H
となる。

解答ケ:4


式Cと式Hから、
$\left\{\begin{array}{l}
\mathrm{C}+\mathrm{D}=32\\
\mathrm{C}-\mathrm{D}=4
\end{array}\right.$
両辺たして、
$2\mathrm{C}=36$
$\mathrm{C}=18$

解答コ:1, サ:8

これを式Cに代入して、
$18+\mathrm{D}=32$
$\mathrm{D}=14$
となる。

解答シ:1, ス:4

これで得点表が完成できた。

表B
英語 数学
生徒1 9 15
生徒2 20 20
生徒3 18 14
生徒4 18 17
生徒5 14 8
生徒6 18 18
生徒7 14 14
生徒8 15 14
生徒9 18 15
平均値 16.0 15.0
分散 10.00 10.00
相関係数 0.500

(2)

図C

大学入試センター試験2014年本試 数学ⅡB第5問 解説図C   
大学入試センター試験2014年本試 数学ⅡB第5問 解説図C
大学入試センター試験2014年本試 数学ⅡB第5問 解説図C   
大学入試センター試験2014年本試 数学ⅡB第5問 解説図C

199
相関関係

図Cの4つの相関図を見ると、黒い点はどの図でも同じ位置にあるけれど、赤い点の場所が違う。
なので、赤い点の確認をしよう。

まず、図中、5の赤い点を確認する。
$y$座標(数学の得点)は8で共通なので、表Bと見比べると、この点は生徒5を表している。
生徒5の英語の得点は14なので、1・2は正しくない。

残りの0・3で、7の赤い点を見ると、$x$座標(英語の得点)は14で共通なので、この点は生徒7を表している。
生徒7の英語の得点は14なので、3は正しくない。

以上より0が正しいと考えられるけど、一応一つ残った赤い点も確認しておこう、
この点は英語の得点が18なので、生徒3・4・6・9のどれか。
数学の得点から、生徒3・4・9は黒い点だと分かるから、赤い点は生徒6のデータだ。
生徒6の数学の得点は18なので、0の相関図は正しい。

解答セ:0

(3)

表Bより、生徒1~9の9人の英語の平均値が16なので、この9人の得点の和は
$16\times 9$
これに生徒10の英語の得点をたして、人数の10で割ればいいので、10人の平均値は
$\displaystyle \frac{16\cdot 9+6}{10}=15$

解答ソ:1, タ:5, チ:0

表Bより、生徒1~9の9人の数学の平均値が15なので、この9人の得点の和は
$15\times 9$
問題中の表より、生徒1~10の10人の数学の平均値が14なので、この10人の得点の和は
$14\times 10$
なので、生徒10の数学の得点$\mathrm{F}$は、
$\mathrm{F}=14\times 10-15\times 9$
$\mathrm{F}$$=5$

解答ツ:5

(4)

転出後、英語も数学も平均点が変わってないので、転出した生徒の得点は英語も数学も10人の平均点ちょうどだったはず。
この条件に当てはまるのは、生徒8。

解答テ:8

ここで、次の問題に入る前に、表Dを見てほしい。表中、すべての生徒の偏差とか偏差2とか偏差の積とか入力してるけど、問題を解くのには必要ない。
英語の偏差2の合計(い)だけど、生徒8の偏差は0なので、10人全部の合計も、生徒8が転出した後の9人の合計も、値は変わらない。
同様に、(う)も(え)も、10人のときも9人のときも値は変わらない。
このことを頭に入れて、問題を解いてみよう。

表D
英語 数学 2教科
の偏差
の積
生徒

偏差2

偏差2
9 -6 36 15 1 1 -6
20 5 25 20 6 36 30
18 3 9 14 0 0 0
18 3 9 17 3 9 9
14 -1 1 8 -6 36 6
18 3 9 18 4 16 12
14 -1 1 14 0 0 0
15 0 0 14 0 0 0
18 3 9 15 1 1 3
10 6 -9 81 5 -9 81 81
合計 (い) (う) (え)
平均 15.0 14.0

10人の英語の得点の分散$v$は、
$v=\displaystyle \frac{(\text{い})}{10}$式I
9人の得点の分散$v'$は、
$v'=\displaystyle \frac{(\text{い})}{9}$式J
よって、
$\displaystyle \frac{v'}{v}=\frac{\frac{(\text{い})}{9}}{\frac{(\text{い})}{10}}$
分母分子を$10\times 9$倍して
$\displaystyle \frac{v'}{v}$$\displaystyle =\frac{10(\text{い})}{9(\text{い})}$
$\displaystyle \frac{v'}{v}$$\displaystyle =\frac{10}{9}$
である。

解答ト:4


相関係数を考えるために、まず共分散から考えよう。
共分散は2教科の偏差の積の平均なので、表Dの(え)を人数で割ったもの。
なので、
10人の共分散$S_{xy}$は、
$S_{xy}=\displaystyle \frac{(\text{え})}{10}$
残った9人の共分散$S_{xy}'$は、
$S_{xy}'=\displaystyle \frac{(\text{え})}{9}$

英語について、10人の標準偏差を$s_{x}$、9人の標準偏差を$s_{x}'$とすると、式I・Jより、
$s_{x}=\displaystyle \sqrt{\frac{(\text{い})}{10}}=\frac{\sqrt{(\text{い})}}{\sqrt{10}}$
$s_{x}'=\displaystyle \sqrt{\frac{(\text{い})}{9}}=\frac{\sqrt{(\text{い})}}{3}$
数学の10人の標準偏差を$s_{y}$、9人の標準偏差を$s_{y}'$とすると、英語と同様の計算をして、
$s_{y}=\displaystyle \frac{\sqrt{(\text{う})}}{\sqrt{10}}$
$s_{y}'=\displaystyle \frac{\sqrt{(\text{う})}}{3}$

以上より、10人の相関係数$r$、9人の相関係数$r'$は、
$r=\displaystyle \frac{\frac{(\text{え})}{10}}{\frac{\sqrt{(\text{い})}}{\sqrt{10}}\cdot\frac{\sqrt{(\text{う})}}{\sqrt{10}}}=\frac{(\text{え})}{\sqrt{(\text{い})\cdot(\text{う})}}$
$r'=\displaystyle \frac{\frac{(\text{え})}{9}}{\frac{\sqrt{(\text{い})}}{3}\cdot\frac{\sqrt{(\text{う})}}{3}}=\frac{(\text{え})}{\sqrt{(\text{い})\cdot(\text{う})}}$
となるので、
$\displaystyle \frac{r'}{r}=1$
である。

解答ナ:1