大学入試センター試験 2015年(平成27年) 追試 数学ⅠA 第1問 解説

ア~エ

71
グラフの移動

まず、$G$の方程式を求める。
$G$は$y=-\displaystyle \frac{1}{4}x^{2}$を$x$軸方向に$-a$、$y$軸方向に$4(a+1)^{2}$平行移動なので、移動前の式の
$x$に$(x+a)$
$y$に$\{y-4(a+1)^{2}\}$
を代入して、
$y-4(a+1)^{2}=-\displaystyle \frac{1}{4}(x+a)^{2}$
$y=-\displaystyle \frac{1}{4}(x+a)^{2}+4(a+1)^{2}$
となる。

ここまでの別解

71
2次関数のグラフ

頂点が原点のグラフを$x$軸方向に$-a$、$y$軸方向に$4(a+1)^{2}$平行移動するので、$G$の頂点は$(-a,\ 4(a+1)^{2})$であり、$x^{2}$の係数は$-\displaystyle \frac{1}{4}$。
よって、$G$の式は、
$y=-\displaystyle \frac{1}{4}(x+a)^{2}+4(a+1)^{2}$
である。

ここで問題文を見ると、答えは$-\displaystyle \frac{1}{4}$でくくって因数分解した形になっている。なので、その形にもってゆこう。
$y=-\displaystyle \frac{1}{4}(x+a)^{2}+\frac{4}{4}\times 4(a+1)^{2}$
$y\displaystyle $$\displaystyle =-\frac{1}{4}\{(x+a)^{2}-4^{2}(a+1)^{2}\}$
$\{\ \}$内は$A^{2}+B^{2}=(A+B)(A-B)$の形なので、
$y\displaystyle $$\displaystyle =-\frac{1}{4}\{(x+a)+4(a+1)\}\{(x+a)-4(a+1)\}$
$y\displaystyle $$\displaystyle =-\frac{1}{4}(x+5a+4)(x-3a-4)$式A
となる。

解答ア:5, イ:4, ウ:3, エ:4

(1)

115
文字係数の放物線とx軸の共有点

$G$は上に凸で、頂点の座標は$(-a,\ 4(a+1)^{2})$。
このグラフが、$-9\leqq x\leqq 11$の範囲で$x$軸と異なる2点で交わればよい。

このタイプの問題は、決まった解き方をするので憶えておこう。

復習

ポイントは、条件に合うグラフを描いて、
$x$軸との共有点の個数を考える条件A 境目(この場合は$x=-9$と$x=11$)の$y$座標に注目する。条件B グラフの軸が境目よりも右にあるか左にあるかを見る。条件C だった。

図A
大学入試センター試験2015年追試 数学ⅠA第1問 解説図A
115
文字係数の放物線とx軸の共有点

まず、条件Aから考える。

$G$は上に凸のグラフなので、$x$軸と異なる2点で交わるためには、$y$座標が正であればよい。
よって、
$0 \lt 4(a+1)^{2}$
$0 \lt (a+1)^{2}$
$a+1\neq 0$
$a\neq-1$式B

条件Bを考えながら図Aを見ると、境目(この場合は$x=-9$と$x=11$)の$y$座標が$0$以下であることが分かる。
よって、
$y=-\displaystyle \frac{1}{4}(x+5a+4)(x-3a-4)$
に$x=-9$と$x=11$を代入して、
$\left\{\begin{array}{l}
-\frac{1}{4}(-9+5a+4)(-9-3a-4)\leqq 0\\
-\frac{1}{4}(11+5a+4)(11-3a-4)\leqq 0
\end{array}\right.$

121
2次不等式の解法(1)

これを解いて、

$(5a-5)(-3a-13)\geqq 0$
$(a-1)\left(a+\frac{13}{3}\right)\leqq 0$
$-\displaystyle \frac{13}{3}\leqq a\leqq 1$式C1

$(5a+15)(-3a+7)\geqq 0$
$(a+3)\left(a-\frac{7}{3}\right)\leqq 0$
$-3\displaystyle \leqq a\leqq\frac{7}{3}$式C2

図Aより、条件Cについては、軸が$-9\leqq x\leqq 11$の範囲に入ればよいことが分かる。
よって、
$-9\leqq-a\leqq 11$
$9\geqq a\geqq-11$
より、
$-11\leqq a\leqq 9$式D

127
連立不等式の解法(2次)

以上より数直線を描いたものが、図B。

図B
大学入試センター試験2015年追試 数学ⅠA第1問 解説図B

この数直線より、
$-3\leqq a \lt -1,\ -1 \lt a\leqq 1$
である。

解答オ:-, カ:3, キ:-, ク:1, ケ:-, コ:1, サ:1

(2)

次は$G$と$y$軸の交点の$y$座標の最小値を求めよという。
まず$G$と$y$軸の交点の$y$座標を出そう。

式Aの$x$に$0$を代入して、
$y=-\displaystyle \frac{1}{4}(5a+4)(-3a-4)$
$y\displaystyle $$=\displaystyle \frac{1}{4}(5a+4)(3a+4)$式E
この最小値が求めるシスセソの値だ。

85
2次関数の最大・最小

$a$の定義域は実数全体なので、式Eが最小になるのは頂点だから、頂点を求めよう。
式Eの中の$5a+4$と$3a+4$が、それぞれ
$5a+4=0$
$3a+4=0$
になる点が横軸($a$軸)との交点だから、グラフはすぐに描ける。

図C
大学入試センター試験2015年追試 数学ⅠA第1問 解説図C

図Cより、$x$軸との交点$\left(-\frac{4}{3},\ 0\right)$と$\left(-\frac{4}{5},\ 0\right)$の中点が軸(頂点の$x$座標)なので、
頂点の$x=\displaystyle \frac{1}{2}\left(-\frac{4}{3}-\frac{4}{5}\right)$
頂点の$x\displaystyle $$\displaystyle =-\frac{16}{15}$
となる。嫌な数になったけど仕方がない。

これを式Eの$x$に代入すると答えだ。ちょっと面倒だけど、平方完成するよりは楽かも。
$y=\displaystyle \frac{1}{4}\left\{5\cdot\left(-\frac{16}{15}\right)+4\right\}\left\{3\cdot\left(-\frac{16}{15}\right)+4\right\}$
$y\displaystyle $$\displaystyle =\frac{1}{4}\left(-\frac{16}{3}+4\right)\left(-\frac{16}{5}+4\right)$
$y\displaystyle $$\displaystyle =-\frac{4}{15}$
より、
最小値は$-\displaystyle \frac{4}{15}$となる。

解答シ:-, ス:4, セ:1, ソ:5