大学入試センター試験 2015年(平成27年) 追試 数学ⅡB 第1問 [1] 解説

解説

247
真数条件

アは普通に真数条件を考えるだけで解ける。
$\log_{\sqrt{2}}y$の真数条件より、
$0 \lt y$

解答ア:0

問題文に「$z=2^{x}$とおく」とあり、(*)にあった$x$が、①②では$z$に変わっているから、代入すればいいんだと分かる。ただし、そのままでは代入できないから、代入できる形に変えよう。

238
指数法則

(*)の連立方程式の上の式の
$2^{x-2}+\displaystyle \frac{1}{2}y=3$
を変形して、
$\displaystyle \frac{2^{x}}{2^{2}}+\frac{1}{2}y=3$

$2^{x}=z$なので、
$\displaystyle \frac{z}{2^{2}}+\frac{1}{2}y=3$
両辺を$2^{2}$倍して、
$z+2y=12$
である。

解答イ:2, ウ:1, エ:2

247
指数と対数の
関係

次は(*)の連立方程式の下の式だ。
$z=2^{x}$は$\log_{2}z=x$
とかける。
これを連立方程式(*)の下の式に代入して、
$\log_{2}z-\log_{\sqrt{2}}y=2$


次に、問題文は
$w=\log_{\sqrt{2}}y$式A
とおけと言う。
出題者の意図がつかめないので、問題文の言うままに計算してゆく。
式Aより、
$y=\left(\sqrt{2}\right)^{w}$
両辺を$\log_{2}$に入れて、
251
対数をとる
$\log_{2}y=\log_{2}\left(\sqrt{2}\right)^{w}$
$\log_{2}y$$=w\log_{2}\sqrt{2}$
247
対数の性質
$\displaystyle \log_{2}y$$\displaystyle =w\cdot\frac{1}{2}$
$w=2\log_{2}y$式B
となる。

解答オ:2

ここまで計算しても、何でこんなことをしているのか分からない。しかし、この計算の結果、②が③に変形できるというので、ようやく底の変換がしたかったんだと気づく。
気づいてしまえばこっちのもんだ。

式A=式Bより、
$\log_{\sqrt{2}}y=2\log_{2}y$
これを②に代入して、
$\log_{2}z-2\log_{2}y=2$
$\log_{2}z-\log_{2}y^{2}=2$
$\displaystyle \log_{2}\frac{z}{y^{2}}=2$
$\displaystyle \log_{2}\frac{z}{y^{2}}$$\displaystyle =2\cdot\log_{2}2$
$\displaystyle \log_{2}\frac{z}{y^{2}}$$\displaystyle =\log_{2}2^{2}$

256
対数方程式

真数だけとりだして、
$\displaystyle \frac{z}{y^{2}}=2^{2}$
$z=2^{2}y^{2}$
$z$$=4y^{2}$
である。

解答カ:4, キ:2


次に問題文は①と③の連立方程式を解けという。
これは普通の連立方程式だから、計算間違いだけ気をつければよい。

20
たすき掛け

③を①に代入して、
$4y^{2}+2y=12$
$2y^{2}+y-6=0$
$(2y-3)(y+2)=0$
$y=-2,\displaystyle \ \frac{3}{2}$

ここで、真数条件より$0 \lt y$なので、
$y=\displaystyle \frac{3}{2}$

これを式③に代入して、
$z=4\left(\frac{3}{2}\right)^{2}$
$z$$=9$
となる。

解答ク:3, ケ:2, コ:9


最後に$x+y=\displaystyle \log_{2}9+\frac{3}{2}$以下の整数のうち最大のものを求めろという。

255
対数の大小比較

サの上の行を見ると、とりあえず
$\displaystyle \frac{n}{2}\leqq\log_{2}9 \lt \frac{n+1}{2}$式C
の形を作るようだ。
底が$2$なので、左辺の$\displaystyle \frac{n}{2}$は
$8=2^{3}=2^{\frac{6}{2}}$
を表しているんじゃないかと想像がつく。中辺の真数の$9$より小さいし。
なので、
$2^{\frac{6}{2}} \lt 9$
とすると、右辺の$\displaystyle \frac{n+1}{2}$は
$2^{\frac{6+1}{2}}=2^{\frac{6}{2}+\frac{1}{2}}$
$2^{\frac{6+1}{2}}$$=2^{\frac{6}{2}}\times 2^{\frac{1}{2}}$
$2^{\frac{6+1}{2}}$$=8\sqrt{2}$
になる。確かに$8\sqrt{2}$は$9$より大きいので、
$2^{\frac{6}{2}} \lt 9 \lt 2^{\frac{7}{2}}$
とかける。

何となく式Cの形に近づいてきた。

258
対数不等式

各辺を$\log_{2}$に入れた場合、底が1より大きいので、
$\log_{2}2^{\frac{6}{2}} \lt \log_{2}9 \lt \log_{2}2^{\frac{7}{2}}$
$\displaystyle \frac{6}{2}\log_{2}2 \lt \log_{2}9 \lt \frac{7}{2}\log_{2}2$
より、
$\displaystyle \frac{6}{2} \lt \log_{2}9 \lt \frac{7}{2}$式C'
である。

解答サ:6

でも、$\log_{2}9$の範囲は最終目的じゃない。
ここから、$x+y=\displaystyle \log_{2}9+\frac{3}{2}$の形を作らないといけない。

46
連立不等式の
解法(1次)

式C'の各辺に$\displaystyle \frac{3}{2}$をたして、
$\displaystyle \frac{9}{2} \lt \log_{2}9+\frac{3}{2} \lt \frac{10}{2}$
より、
$\displaystyle \frac{9}{2} \lt x+y \lt \frac{10}{2}$
できた。

以上より、$x+y$以下の整数のうち最大のものは
$4$
といえる。

解答シ:4