大学入試センター試験 2015年(平成27年) 追試 数学ⅡB 第5問 解説
(1)
$X$ | $1$ | $2$ | $3$ | $4$ | $5$ | $6$ | 計 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
$P$ | $\displaystyle \frac{1}{6}$ | $\displaystyle \frac{1}{6}$ | $\displaystyle \frac{1}{6}$ | $\displaystyle \frac{1}{6}$ | $\displaystyle \frac{1}{6}$ | $\displaystyle \frac{1}{6}$ | $1$ |
最初にどんな目が出てももう一度投げる場合、2度目のさいころの目だけを考えればいいから、確率分布表は表Aのようになる。
表Aより、期待値$E(X)$は、
$E(X)=\displaystyle \frac{1+2+3+4+5+6}{6}$
$E(X)\displaystyle $$\displaystyle =\frac{7}{2}$式A
解答ア:7, イ:2
$X$ | $1$ | $2$ | $3$ | $4$ | $5$ | $6$ | 計 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
最初 | $\displaystyle \frac{1}{6}$ | $\displaystyle \frac{1}{6}$ | $\displaystyle \frac{1}{6}$ | $\displaystyle \frac{1}{6}$ | $\displaystyle \frac{1}{6}$ | ||
二度目 | $\displaystyle \frac{1}{6}\cdot\frac{1}{6}$ | $\displaystyle \frac{1}{6}\cdot\frac{1}{6}$ | $\displaystyle \frac{1}{6}\cdot\frac{1}{6}$ | $\displaystyle \frac{1}{6}\cdot\frac{1}{6}$ | $\displaystyle \frac{1}{6}\cdot\frac{1}{6}$ | $\displaystyle \frac{1}{6}\cdot\frac{1}{6}$ | |
合計 | $\displaystyle \frac{1}{36}$ | $\displaystyle \frac{7}{36}$ | $\displaystyle \frac{7}{36}$ | $\displaystyle \frac{7}{36}$ | $\displaystyle \frac{7}{36}$ | $\displaystyle \frac{7}{36}$ | $1$ |
次は、最初に1が出たらさいころを2回投げる場合だ。この場合の確率分布表は表Bのようになる。
表Bより、
$Y=1$となる確率は$\displaystyle \frac{1}{36}$
解答ウ:1, エ:3, オ:6
$Y=2$となる確率は$\displaystyle \frac{7}{36}$
解答カ:7, キ:3, ク:6
期待値$E(Y)$は、
$E(Y)=\displaystyle \frac{1}{36}(1\cdot 1+2\cdot 7+3\cdot 7$
$+4\cdot 7+5\cdot 7+6\cdot 7)$
$E(Y)\displaystyle $$\displaystyle =\frac{1}{36}\{1+7(2+3+4+5+6)\}$
$E(Y)\displaystyle $$\displaystyle =\frac{47}{12}$
である。
解答ケ:4, コ:7, サ:1, シ:2
$X$ | $1$ | $2$ | $3$ | $4$ | $5$ | $6$ | 計 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
最初 | $\displaystyle \frac{1}{6}$ | $\displaystyle \frac{1}{6}$ | $\displaystyle \frac{1}{6}$ | ||||
二度目 | $\displaystyle \frac{3}{6}\cdot\frac{1}{6}$ | $\displaystyle \frac{3}{6}\cdot\frac{1}{6}$ | $\displaystyle \frac{3}{6}\cdot\frac{1}{6}$ | $\displaystyle \frac{3}{6}\cdot\frac{1}{6}$ | $\displaystyle \frac{3}{6}\cdot\frac{1}{6}$ | $\displaystyle \frac{3}{6}\cdot\frac{1}{6}$ | |
合計 | $\displaystyle \frac{1}{12}$ | $\displaystyle \frac{1}{12}$ | $\displaystyle \frac{1}{12}$ | $\displaystyle \frac{3}{12}$ | $\displaystyle \frac{3}{12}$ | $\displaystyle \frac{3}{12}$ | $1$ |
期待値を最大にするには、最初に$E(X)$以下の目が出たときのみ二度目を投げればよい。
式Aより$E(X)=\displaystyle \frac{7}{2}$なので、この場合の確率分布表は表Cのようになる。
表Cより、期待値$E(Z)$は、
$E(Z)=\displaystyle \frac{1}{12}(1\cdot 1+2\cdot 1+3\cdot 1$
$+4\cdot 3+5\cdot 3+6\cdot 3)$
$E(Z)\displaystyle $$\displaystyle =\frac{1}{12}\{1+2+3+3(4+5+6)\}$
$E(Z)\displaystyle $$\displaystyle =\frac{17}{4}$
となる。
解答ス:1, セ:7, ソ:4
(2)
科目Aについて、平均点の$66.2$点、標準偏差の$15.0$点を使って、順位を求める$80$点をまず標準化しよう。
$80$点の標準化したものを$z$とすると、
$z=\displaystyle \frac{80-66.2}{15.0}=0.92$
となる。
正規分布表で$z_{0}=0.92$を探すと、$0.3212$であることが分かる。
この$0.3212$は、図Dの斜線の部分。
青い部分は
$0.5-0.3212=0.1788$
であるから、この生徒は全体の上から$0.1788$の位置にいる。
分かりにくければ、上から17.88%と言ってもいい。
母集団は$14000$人なので、上から$0.1788$は、
$14000\times 0.1788=2503.2$
となり、この生徒は2500番付近にいることが分かる。
以上より、当てはまるものは2である。
解答タ:2
$59$点でもまず標準化して、
$z=\displaystyle \frac{59-66.2}{15.0}=-0.48$
これは平均よりも下の値なので、図Dを左右反転させた図Eで考えよう。
正規分布表で$z_{0}=0.48$を探すと、$0,1844$である。
これは、図Eの斜線の部分。
青い部分は
$0.5+0.1844=0.6844$
であるから、この生徒は全体の上から$0.6844$の位置にいる。
母集団は$14000$人なので、上から$0.6844$は、
$14000\times 0.6844=9581.6$
となり、この生徒は上から9580番付近にいることが分かる。
以上より、当てはまるものは9である。
解答チ:9
まず、信頼度95%なので、正規分布表から図Fの緑の面積が$0.95$となる$z_{0}$の値を探そう。
ただし、正規分布表には図Fの右半分、$z$が$0$以上の部分の面積が載っているので、$0.95$の半分、$0.475$を探すと、$z_{0}=1.96$であることが分かる。
復習
ここで、母平均$m$の信頼区間は、
母標準偏差を$\sigma$、標本平均を$\overline{X}$、標本の大きさを$n$として、
$\displaystyle \overline{X}-z\cdot\frac{\sigma}{\sqrt{n}}\ \leqq\ m\ \leqq\ \overline{X}+z\cdot\frac{\sigma}{\sqrt{n}}$
だった。$z$には先に求めた$z_{0}$を用いる。
よって、
$63.5-1.96\displaystyle \cdot\frac{16.0}{\sqrt{196}}\leqq m\leqq 63.5+1.96\cdot\frac{16.0}{\sqrt{196}}$
$61.26\leqq m\leqq 65.74$
となる。
これを小数第二位で四捨五入して、
$61.3\leqq m\leqq 65.7$
解答ツ:6, テ:1, ト:3, ナ:6, ニ:5, ヌ:7