大学入試センター試験 2019年(平成31年) 本試 数学ⅡB 第1問 [2] 解説

タ~テ

真数は正なので、問題文中の式②の真数部分
$x+2$

$y+3$
は正である。
よって、
$\left\{\begin{array}{l}
0 \lt x+2\\
0 \lt y+3
\end{array}\right.$
より
$\left\{\begin{array}{l}
-2 \lt x\\
-3 \lt y
\end{array}\right.$式A
である。

解答タ:2


ここで、底の変換公式を復習すると、

公式

$\displaystyle \log_{a}b=\frac{\log_{c}b}{\log_{c}a}$

だった。
よって、
$\displaystyle \log_{4}(y+3)=\frac{\log_{2}(y+3)}{\log_{2}4}$
$\displaystyle \log_{4}(y+3)$$\displaystyle =\frac{\log_{2}(y+3)}{2}$式B
である。

解答チ:2

式Bを問題文中の式②に代入して、
$\displaystyle \log_{2}(x+2)-2\cdot\frac{\log_{2}(y+3)}{2}=-1$
これを変形すると
$\log_{2}(x+2)-\log_{2}(y+3)=-1$
$\displaystyle \log_{2}\frac{x+2}{y+3}=-1$式C
となるけど、この式は左辺が$\log$で右辺が$\log$じゃないので、このままだとどうにもならない。
なので、右辺も$\log$にしよう。

$\log_{a}a=1$
なので、式Cの右辺は
$-\log_{2}2=\log_{2}2^{-1}$
$-\displaystyle \log_{2}2$$\displaystyle =\log_{2}\frac{1}{2}$
とかける。

だから、式Cは
$\displaystyle \log_{2}\frac{x+2}{y+3}=\log_{2}\frac{1}{2}$
より
$\displaystyle \frac{x+2}{y+3}=\frac{1}{2}$
となる。
これを変形して、
$2(x+2)=y+3$
$y=2x+4-3$
$y$$=2x+1$
である。

解答ツ:2, テ:1

ト~ホ

$\displaystyle t=\left(\frac{1}{3}\right)^{x}$式D
とおき、式④を用いて問題文中の式③を$t$で表すので、式④を式③に代入だ。
$\displaystyle \left(\frac{1}{3}\right)^{2x+1}-11\cdot\left(\frac{1}{3}\right)^{x+1}+6=0$
を変形して、
$\displaystyle \left(\frac{1}{3}\right)\left(\frac{1}{3}\right)^{2x}-11\cdot\left(\frac{1}{3}\right)\left(\frac{1}{3}\right)^{x}+6=0$
$\displaystyle \frac{1}{3}\cdot\left\{\left(\frac{1}{3}\right)^{x}\right\}^{2}-\frac{11}{3}\cdot\left(\frac{1}{3}\right)^{x}+6=0$
これに式Dを代入して、
$\displaystyle \frac{1}{3}t^{2}-\frac{11}{3}t+6=0$
$t^{2}-11t+6\cdot 3=0$
$t^{2}-11t+18=0$
である。

解答ト:1, ナ:1, ニ:1, ヌ:8

問題の流れからは外れるけど、説明の都合上、先に式⑤の方程式を解いておく。

式⑤を因数分解して、
$(t-2)(t-9)=0$
なので、
$t=2$,$9$式E
である。


式Eで解が2つ出来たけど、で考えたように、$x$,$y$には範囲がある。
なので、$t$にも範囲がある。
だから、式Eの2つの解が両方とも答えだとは限らない。
$t$の範囲を求めよう。

式Aより $-2 \lt x$ で、$\displaystyle \frac{1}{3}$ は $1$ より小さいので、
$\displaystyle \left(\frac{1}{3}\right)^{x} \lt \left(\frac{1}{3}\right)^{-2}$

これに式Dを代入して、
$\displaystyle t \lt \left(\frac{1}{3}\right)^{-2}$
$t \lt 3^{2}$
$t \lt 9$式F

また、
$\displaystyle 0 \lt \left(\frac{1}{3}\right)^{x}$
なので、
$0 \lt t$式G
だから、式F,式Gをあわせると
$0 \lt t \lt 9$
となる。

解答ネ:0, ノ:9

よって、式Eの2つの解のうち、$9$は不適。
式⑤の方程式の解は
$t=2$
のひとつになる。

解答ハ:2


$t=2$のときの$x$,$y$を求める。
まず$x$から。
$t$と$x$の関係なので、式Dだ。

式Dに$t=2$を代入して、
$\displaystyle \left(\frac{1}{3}\right)^{x}=2$式H
である。

ここで、指数と対数の関係の復習をすると、

復習

$0 \lt a$,$0 \lt b$のとき、
$\log_{a}b=c$
   $\Updownarrow$
$a^{c}=b$

復習より、式Hは
$\log_{\frac{1}{3}}2=x$
とかける。
この底を$3$に変換して、
$x=\displaystyle \frac{\log_{3}2}{\log_{3}\frac{1}{3}}$

途中式 $x\displaystyle $$\displaystyle =\frac{\log_{3}2}{-1}$
$x$$=-\log_{3}2$
$x$$=\log_{3}2^{-1}$
$x\displaystyle $$\displaystyle =\log_{3}\frac{1}{2}$
となる。

解答ヒ:1, フ:2

別解

問題用紙のの式を見ると、答えは$3$が底の$\log$で表すようだ。
なので、式Hの両辺の底が$3$の対数をとって、
$\log_{3}\left(\frac{1}{3}\right)^{x}=\log_{3}2$

途中式 $\log_{3}(3^{-1})^{x}=\log_{3}2$
$-x\log_{3}3=\log_{3}2$
$-x=\log_{3}2$
$x=-\log_{3}2$
$x\displaystyle $$\displaystyle =\log_{3}\frac{1}{2}$
である。

解答ヒ:1, フ:2

この$x$を$y$に変えるので、式④だ。
式④に$x=\displaystyle \log_{3}\frac{1}{2}$を代入して、
$y=2\displaystyle \log_{3}\frac{1}{2}+1$

途中式 $y$$=\log_{3}\left(\frac{1}{2}\right)^{2}+\log_{3}3$
$y\displaystyle $$=\log_{3}\left\{\left(\frac{1}{2}\right)^{2}\times 3\right\}$
$y\displaystyle $$\displaystyle =\log_{3}\frac{3}{4}$
となる。

解答ヘ:3, ホ:4