大学入試センター試験 2016年(平成28年) 追試 数学ⅡB 第2問 解説

(1)

$\left\{\begin{array}{l}
\mathrm{A}\mathrm{B}+\mathrm{A}\mathrm{C}+\mathrm{B}\mathrm{C}=4\\
\mathrm{B}\mathrm{C}=2a\\
\mathrm{A}\mathrm{B}=\mathrm{A}\mathrm{C}
\end{array}\right.$
より、
$2\mathrm{AB}=4-2a$
$\mathrm{AB}=2-a$
である。

解答ア:2, イ:a


点AからBCに下ろした垂線の足をHとする。
△ABHは直角三角形なので、三平方の定理より、

図A
大学入試センター試験2016年追試 数学ⅡB第2問 解説図A

$\mathrm{AH}^{2}=\mathrm{AB}^{2}-\mathrm{BH}^{2}$
$\mathrm{AH}^{2}$$=(2-a)^{2}-a^{2}$
$\mathrm{AH}^{2}$$=(2-a+a)(2-a-a)$
$\mathrm{AH}^{2}$$=2(2-2a)$
$\mathrm{AH}^{2}$$=2^{2}(1-a)$
$0 \lt \mathrm{AH}$なので、
$\mathrm{AH}=2\sqrt{1-\mathrm{a}}$

よって、△ABCの面積を$S$とすると、
$S=\displaystyle \frac{1}{2}\times \mathrm{BC}\times \mathrm{AH}$
$S\displaystyle $$\displaystyle =\frac{1}{2}\cdot 2a\cdot 2\sqrt{1-a}$
$S$$=2a\sqrt{1-a}$
となる。

解答ウ:2, エ:a, オ:1

別解

この問題の場合、△ABCにヘロンの公式を使うと計算がかなり簡単になる。

復習

△ABCの三辺の長さを$a$,$b$,$c$、面積を$S$とする。
$s=\displaystyle \frac{a+b+c}{2}$とするとき、ヘロンの公式は
$S=\sqrt{s(s-a)(s-b)(s-c)}$
だった。

よって、△ABCの面積$S$は、
$S=\sqrt{2(2-2a)\{2-(2-a)\}\{2-(2-a)\}}$
$S$$=\sqrt{2\cdot 2(1-a)\cdot a\cdot a}$
$S$$=2a\sqrt{1-a}$
となる。

解答ウ:2, エ:a, オ:1

アドバイス

ヘロンの公式はあまり使わないけれど、問題によってはとても簡単に解ける場合がある。なので、忘れずに暗記しておこう。

(2)

図B
大学入試センター試験2016年追試 数学ⅡB第2問 解説図B

図Bで、△ABCと△RPQは相似であり、相似比は$1:x$である。

ここで、念のために相似な図形の面積比,体積比の復習をしておこう。

復習

相似な図形$\mathrm{A}$,$\mathrm{B}$があり、それぞれの面積を$S_{\mathrm{A}}$,$S_{\mathrm{B}}$,体積を$V_{\mathrm{A}}$,$V_{\mathrm{B}}$とする。
相似比が$a:b$のとき、
$S_{\mathrm{A}}:S_{\mathrm{B}}=a^{2}:b^{2}$
$V_{\mathrm{A}}:V_{\mathrm{B}}=a^{3}:b^{3}$
である。

なので、
$\triangle \mathrm{ABC}:\triangle \mathrm{RPQ}=1^{2}:x^{2}$
$\triangle \mathrm{RPQ}=\triangle \mathrm{ABC}\times x^{2}$
これに△ABCの面積を代入して、
$\triangle \mathrm{RPQ}=\left(2a\sqrt{1-a}\right)x^{2}$
である。

解答カ:2


パターン1 パターン2 パターン3
Rが△ABC内に
ある場合
大学入試センター試験2016年追試 数学ⅡB第2問 解説図
Rが辺BC上に
ある場合
大学入試センター試験2016年追試 数学ⅡB第2問 解説図
Rが△ABC外に
ある場合
大学入試センター試験2016年追試 数学ⅡB第2問 解説図
$0 \lt x \lt \displaystyle \frac{1}{2}$のとき $x=\displaystyle \frac{1}{2}$のとき $\displaystyle \frac{1}{2} \lt x \lt 1$のとき

で、ここで△RPQと△ABCの共通部分の面積を$f(x)$とするんだけど、この共通部分のパターンは3つある。
△APQと△RPQは合同なので、パターン2になるのは$x=\displaystyle \frac{1}{2}$のとき。
なので、パターン1になるのは$0 \lt x \lt \displaystyle \frac{1}{2}$のときで、パターン3になるのは$\displaystyle \frac{1}{2} \lt x \lt 1$のとき。


パターン1・2のときには、$f(x)=\triangle \mathrm{RPQ}$なので、話は簡単。
面倒なのは、パターン3だ。$f(x)$は台形の面積になるけど、これを直接求めるのは大変なので、
$f(x)=\triangle \mathrm{RPQ}-\triangle \mathrm{RP}'\mathrm{Q}'$式A
としよう。
△RP'Q'と△ABCは相似。
相似比は、$\mathrm{RP}':\mathrm{AB}$。
なので、RP'の長さを求める。

△APQと△RPQは合同なので、$\mathrm{AP}=\mathrm{RP}$。
よって、$\mathrm{RP}=x(2-a)$
△PBP'は二等辺三角形なので、$\mathrm{PB}=\mathrm{PP}'$。
よって、$\mathrm{PP}'=(1-x)(2-a)$
以上より、
$\mathrm{RP}'=\mathrm{RP}-\mathrm{PP}'$
$\mathrm{RP}'$$=x(2-a)-(1-x)(2-a)$
$\mathrm{RP}'$$=\{x-(1-x)\}(2-a)$
$\mathrm{RP}'$$=(2x-1)(2-a)$

△RP'Q'と△ABCの相似比は$\mathrm{RP}':\mathrm{AB}$なので、
$\mathrm{RP}':\mathrm{AB}=(2x-1)(2-a):2-a$
$\mathrm{RP}':\mathrm{AB}$$=2x-1:1$
である。

解答キ:2, ク:1

相似比が分かれば勝ったも同然。
さっき復習したように、面積比は相似比の2乗なので、
$\triangle \mathrm{RP}'\mathrm{Q}':\triangle \mathrm{ABC}=(2x-1)^{2}:1^{2}$
より、
$\triangle \mathrm{RP}'\mathrm{Q}'=\triangle \mathrm{ABC}\times(2x-1)^{2}$
$\triangle \mathrm{RP}'\mathrm{Q}'$$=\left(2a\sqrt{1-a}\right)(2x-1)^{2}$
であることが分かる。

これと①式を式Aに代入して、
$f(x)=\triangle \mathrm{RPQ}-\triangle \mathrm{RP}'\mathrm{Q}'$
$f(x)$$=\left(2a\sqrt{1-a}\right)x^{2}-\left(2a\sqrt{1-a}\right)(2x-1)^{2}$
$f(x)$$=\left(2a\sqrt{1-a}\right)\{x^{2}-(2x-1)^{2}\}$
$f(x)$$=\left(2a\sqrt{1-a}\right)(-3x^{2}+4x-1)$
となる。

解答ケ:-, コ:3, サ:2, シ:4


以上をまとめると、$f(x)$は、
$\left\{\begin{array}{ll}
0 & (x=0)\\
\left(2a\sqrt{1-a}\right)x^{2} & \left(0 \lt x\leqq\frac{1}{2}\right)\\
\left(2a\sqrt{1-a}\right)(-3x^{2}+4x-1) & \left(\frac{1}{2} \lt x \lt 1\right)\\
0 & (x=1)
\end{array}\right.$式B
となる。
ただし、$0 \lt 2a\sqrt{1-a}$


次は$y=f(x)$の最大値だ。
$0 \lt x\displaystyle \leqq\frac{1}{2}$の範囲では単調に増加するのは明らかなので、最大値は$\displaystyle \frac{1}{2} \lt x \lt 1$の範囲にあると予想できる。
なので、$\displaystyle \frac{1}{2} \lt x \lt 1$における$f(x)=\left(2a\sqrt{1-a}\right)(-3x^{2}+4x-1)$の最大値を求めよう。
グラフは上に凸の放物線で、軸は
$x=\displaystyle \frac{-4}{2\cdot(-3)}=\frac{2}{3}$
である。$x=\displaystyle \frac{2}{3}$は$\displaystyle \frac{1}{2} \lt x \lt 1$の範囲に含まれるので、ここが最大だ。

なお、軸を求めるのには、

復習

$y=ax^{2}+bx+c$の頂点の$x$座標は
$\displaystyle \frac{-b}{2a}$

を使った。

解答ス:2, セ:3

別解

この部分、微分して解いてもよい。
$f(x)=\left(2a\sqrt{1-a}\right)\left(-3x^{2}+4x-1\right)$
を微分して、
$f'(x)=\left(2a\sqrt{1-a}\right)\left(-6x+4\right)$
より、$x=\displaystyle \frac{2}{3}$のときに$f'(x)=0$。
$\displaystyle \frac{1}{2} \lt x \lt 1$の範囲で増減表をかくと、

$x$ $\displaystyle \frac{1}{2}$ $\cdots$ $\displaystyle \frac{2}{3}$ $\cdots$ $1$
$f'(x)$ $+$ $0$ -
$f(x)$ $\nearrow$ 最大 $\searrow$

となるので、$f(x)$は$x=\displaystyle \frac{2}{3}$のときに最大となる。

解答ス:2, セ:3

最大値は、$f(x)=\left(2a\sqrt{1-a}\right)(-3x^{2}+4x-1)$に$x=\displaystyle \frac{2}{3}$を代入して、
$\left(2a\sqrt{1-a}\right)\left\{-3\cdot\left(\frac{2}{3}\right)^{2}+4\cdot\frac{2}{3}-1\right\}$
$=\left(2a\sqrt{1-a}\right)\left(-\frac{4}{3}+\frac{8}{3}-\frac{3}{3}\right)$
$=\displaystyle \frac{1}{3}\cdot 2a\sqrt{1-a}$
$=\displaystyle \frac{2a}{3}\sqrt{1-a}$
である。

解答ソ:2, タ:a, チ:3


図C
大学入試センター試験2016年追試 数学ⅡB第2問 解説図C

以上より、$y=f(x)$のグラフは図Cのようになる。
問題を解くにはグラフは必要ないけれど、イメージをつかむために載せておいた。

(3)

図Cの赤い部分の面積$S$を求める。
$x=\displaystyle \frac{1}{2}$を境にグラフが変わっているので、分けて積分して足そう。

式Bより、
$S=\displaystyle{ \int_{0}^{\frac{1}{2}}\left(2a\sqrt{1-a}\right)x^{2}dx }$
       $+\displaystyle{ \int_{\frac{1}{2}}^{1}\left(2a\sqrt{1-a}\right)(-3x^{2}+4x-1)dx }$
途中式 $S$$=\displaystyle{ \left(2a\sqrt{1-a}\right)\left\{\int_{0}^{\frac{1}{2}}x^{2}dx\right. }$
                      $\displaystyle{ \left.+\int_{\frac{1}{2}}^{1}(-3x^{2}+4x-1)dx\right\} }$
$S$$=\left(2a\sqrt{1-a}\right)\left\{\Bigl[\frac{1}{3}x^{3}\Bigr]_{0}^{\frac{1}{2}}+\Bigl[-x^{3}+2x^{2}-x\Bigr]_{\frac{1}{2}}^{1}\right\}$
$S$$=\left(2a\sqrt{1-a}\right)\left[\frac{1}{3}\left(\frac{1}{2}\right)^{3}+\left(-1^{3}+2\cdot 1^{2}-1\right)\right.$
                      $\left.-\left\{-\left(\frac{1}{2}\right)^{3}+2\cdot\left(\frac{1}{2}\right)^{2}-\frac{1}{2}\right\}\right]$
$S$$=\left(2a\sqrt{1-a}\right)\frac{1}{3}\left(\frac{1}{2}\right)^{3}\{1-3(-1+2\cdot2-4)\}$
$S$$=\left(2a\sqrt{1-a}\right)\frac{1}{3}\left(\frac{1}{2}\right)^{3} 4$
$S$$\displaystyle =\frac{4\cdot 2a}{3\cdot 2^{3}}\sqrt{1-a}$
$S$$\displaystyle =\frac{a}{3}\sqrt{1-a}$式C
である。

解答ツ:a, テ:3


最後に、$a$を変数として、$0 \lt a \lt 1$における$S$の最大値を求める。
式Cを微分してと言いたいところだけれど、式Cの微分は数Ⅲの範囲になってしまう。
なので、$0 \lt S$だから、$S^{2}$が最大になるとき$S$も最大になることを利用する。

式Cの両辺を2乗して、
$S^{2}=\displaystyle \frac{a^{2}}{9}(1-a)$
$S^{2}\displaystyle $$\displaystyle =-\frac{1}{9}a^{3}+\frac{1}{9}a^{2}$
となる。

解答ト:-, ナ:1, ニ:9, ヌ:1

これを微分して増減表をかく。
$\displaystyle \left(S^{2}\right)'=-\frac{3}{9}a^{2}+\frac{2}{9}a$
$\displaystyle \left(S^{2}\right)'$$\displaystyle =\frac{1}{9}a(-3a+2)$
より、$a=0,\displaystyle \frac{2}{3}$のとき$(S^{2})'=0$。
なので、増減表は、

$a$ $0$ $\cdots$ $\displaystyle \frac{2}{3}$ $\cdots$ $1$
$(S^{2})'$ $+$ $0$ -
$S$ $\nearrow$ 最大値 $\searrow$

となる。

解答ネ:2, ノ:3

最大値は、式Cに$a=\displaystyle \frac{2}{3}$を代入して、
$\displaystyle \frac{\frac{2}{3}}{3}\sqrt{1-\frac{2}{3}}$
$=\displaystyle \frac{2}{3^{2}}\sqrt{\frac{1}{3}}$
$=\displaystyle \frac{2\sqrt{3}}{27}$
である。

解答ハ:2, ヒ:3, フ:2, ヘ:7