大学入学共通テスト 2018年(平成30年) 試行調査 数学ⅠA 第1問 [4] 解説

(1)

問題文中の「太郎さんの証明の構想」の話の展開が分かりにくいかも知れない。
問題文をもうちょっと分かりやすく書きなおしてみると、

図A
大学入学共通テスト2018年試行調査 数学ⅠA第1問[4] 解説図A

図Aの赤い三角形とオレンジの三角形を比べてみると、
青い角($A$)は等しい 辺$\mathrm{BC}$($a$)は共通 であるといえる。

なので、オレンジの三角形で
$\displaystyle \frac{a}{\sin A}=2R$式A
であれば、赤い三角形でも
$\displaystyle \frac{a}{\sin A}=2R$
であることが分かる。

問題の最初の部分で、直角三角形(オレンジの三角形)の場合に式Aが成り立つことを証明した。

よって、赤い三角形でも式Aは成り立つ。

となる。

つまり、三角形$\mathrm{ABC}$を直角三角形と比べたい。
なので、$\mathrm{A}'$の位置は、三角形$\mathrm{A}'\mathrm{BC}$が直角三角形になる点だ。

選択肢のうちで三角形$\mathrm{A}'\mathrm{BC}$が直角三角形になるのは、$\mathrm{A}'$が図Aの緑の点になる

である。

解答カ:1

(2)

「花子さんの証明の構想」も、基本的な手順は(1)の太郎さんの構想と変わらない。
花子さんの構想を、図Bで説明すると、

図B
大学入学共通テスト2018年試行調査 数学ⅠA第1問[4] 解説図B

図Bの赤い三角形とオレンジの三角形を比べてみると、
青い角($A$)と緑の角($D$)は、たして$180^{\circ}$なので、
$\sin A = \sin D$
辺$\mathrm{BC}$($a$)は共通 であるといえる。

なので、オレンジの三角形で
$\displaystyle \frac{a}{\sin D}=2R$式B
であれば、赤い三角形でも
$\displaystyle \frac{a}{\sin A}=2R$
であることが分かる。

問題の最初の部分で、直角三角形(オレンジの三角形)の場合に式Bが成り立つことを証明した。

なので、赤い三角形でも式Bは成り立つ。

となる。

よって、には図Aの緑の角である
$\angle \mathrm{BDC}$
が入るから、正しい選択肢は

だ。

解答キ:5

また、図Bの緑の角と青い角をたすと$180^{\circ}$なので、
$\angle \mathrm{CAB}+\angle \mathrm{BDC}=180^{\circ}$
より
$\angle \mathrm{CAB}=180^{\circ}-\angle \mathrm{BDC}$
である。

よって、には、選択肢の

が入る。

解答ク:5