大学入学共通テスト 2018年(平成30年) 試行調査 数学ⅡB 第1問 [2] 解説

(1)

$f(x)$は3次関数なので、$f'(x)$は次数がひとつ減って2次関数になる。

解答カ:2


$f(x)$は$-1$と$3$で極値をとる。

よって、$f'(x)$は$x=-1$,$3$のときに
$f'(x)=0$
になるから、$p$を実数として
$f'(x)=p(x+1)(x-3)$式A
とかける。

なので、$f'(x)$は
$(x+1)(x-3)$
で割り切れる。

解答キ:1, ク:3

(2)

式Aより、$f'(x)$は
$f'(x)=p(x+1)(x-3)$
$f'(x)$$=p(x^{2}-2x-3)$
$f'(x)$$=px^{2}-2px-3p$
となる。

これを積分すると、積分定数を$C$として、
$f(x)=\displaystyle \frac{p}{3}x^{3}-px^{2}-3px+C$式B
とかける。

$y=f(x)$が$(0,2)$を通るので、式Bは、
$\displaystyle \frac{p}{3}\cdot 0^{3}-p\cdot 0^{2}-3p\cdot 0+C=3$
となるので、
$C=2$式C
である。

また、
$f(-1)=-\displaystyle \frac{4}{3}$
なので、式B,式Cより
$\displaystyle \frac{p}{3}(-1)^{3}-p(-1)^{2}-3p(-1)+2=-\frac{4}{3}$
とかける。

これを計算して、
$-\displaystyle \frac{p}{3}-p+3p+2=-\frac{4}{3}$
$-\displaystyle \frac{p}{3}+2p+2=-\frac{4}{3}$
両辺を$3$倍して、
$-p+6p+6=-4$
$5p=-10$
$p=-2$
である。

よって、$f(x)$は
$f(x)=-\displaystyle \frac{2}{3}x^{3}+2x^{2}+6x+2$
となる。

解答ケ:-, コ:2, サ:3, シ:2, ス:6, セ:2

(3)

以上より、$y=f(x)$は、
$x^{3}$の係数が負 $x=-1$,$3$で極値をとる 極小値は$-\displaystyle \frac{4}{3}$ $y=2$で$y$軸と交わる ような3次関数なので、概形は図Aのような形だ。
詳しい説明はこのページ参照。

図A
大学入学共通テスト2018年試行調査 数学2B第1問[2] 解説図A

このグラフは$x$軸と3点で交わり、交点のうち2つの$x$座標は負だ。
つまり、$f(x)=0$は3つの実数解をもつけど、そのうちの2解は負である。

解答ソ:2


このグラフを使って、面積$S$,$T$を図Bのように決める。

図B
大学入学共通テスト2018年試行調査 数学2B第1問[2] 解説図B

このとき、関数を積分すると$x$軸より下の面積は負、上の面積は正で表されるので、
$\displaystyle \int_{a}^{b}f(x)dx=-S$
$\displaystyle \int_{b}^{c}f(x)dx=T$
となる。

よって、
$\displaystyle \int_{a}^{c}f(x)dx=\int_{a}^{b}f(x)dx+\int_{b}^{c}f(x)dx$
                $=-S+T$
である。

解答タ:7