大学入学共通テスト 2023年(令和5年) 本試 数学ⅠA 第1問 [1] 解説

解説

$|x+6|\leqq 2$式A
の絶対値をはずすと
$-2\leqq x+6\leqq 2$
とかける。

この式の3辺から$6$を引いて、
$-2-6\leqq x+6-6\leqq 2-6$
より、$x$の範囲は
$-8\leqq x\leqq-4$
である。

解答ア:-, イ:8, ウ:-, エ:4


次は
$\Bigl| \textcolor{red}{(1-\sqrt{3})(a-b)(c-d)}+6 \Bigr| \leqq 2$
だけど、赤い部分を$x$と考えると 式Aと同じ式になるから、アイウエより
$-8\leqq(1-\sqrt{3})(a-b)(c-d)\leqq-4$
とかける。

この式の3辺を$1-\sqrt{3}$で割ると、
$1-\sqrt{3} \lt 0$
なので、不等号の向きは逆になって
$-\textcolor{blue}{\dfrac{8}{1-\sqrt{3}}} \geqq (a-b)(c-d) \geqq \textcolor{red}{-\dfrac{4}{1-\sqrt{3}}}$式B
となる。

この式の赤い部分は、分母を有理化すると
$-\dfrac{4(1+\sqrt{3})}{(1-\sqrt{3})(1+\sqrt{3})}=-\dfrac{4(1+\sqrt{3})}{-2}$
$\hspace{146px}=2(1+\sqrt{3})$
$\hspace{146px}=2+2\sqrt{3}$
と変形できる。

青い部分は赤い部分$\times 2$なので、
$2(2+2\sqrt{3})=4+4\sqrt{3}$
だ。

よって、式Bは
$\textcolor{blue}{4+4\sqrt{3}} \geqq(a-b)(c-d)\geqq \textcolor{red}{2+2\sqrt{3}}$
より
$\textcolor{red}{2+2\sqrt{3}} \leqq(a-b)(c-d)\leqq \textcolor{blue}{4+4\sqrt{3}}$
と表せる。

解答オ:2, カ:2, キ:4, ク:4


さらに、
$(a-b)(c-d)=4+4\sqrt{3}$ $(a-c)(b-d)=-3+\sqrt{3}$ のとき、
$(a-d)(c-b)$式C
の値を考える。

問題文の指示に従って、式Cを展開すると
$ac-ab-cd+bd$式C'

①,②を展開すると、
①は
$\textcolor{red}{ac}-\textcolor{blue}{ad}-\textcolor{blue}{bc}+\textcolor{red}{bd}=4+4\sqrt{3}$①'
②は
$\textcolor{red}{ab}-\textcolor{blue}{ad}-\textcolor{blue}{bc}+\textcolor{red}{cd}=-3+\sqrt{3}$②'
だ。

①',②'の左辺を式C'と見比べると、赤い項は式C'にもあるけど、青い項はない。
なので、加減法で青い項を消そう。

①'から②'を辺々引くと、

$ac$$-\cancel{ad}$$-\cancel{bc}$$+bd$$=$$4$$+4\sqrt{3}$
$-)$$ab$$-\cancel{ad}$$-\cancel{bc}$$+cd$$=$$-3$$+\sqrt{3}$
$ac-ab$$+bd-cd$$=$$7$$+3\sqrt{3}$

より、
$ac-ab-cd+bd=7+3\sqrt{3}$
となる。

この式の左辺は式C'なので、
$(a-d)(c-b)=7+3\sqrt{3}$
であることが分かる。

解答ケ:7, コ:3