大学入学共通テスト 2023年(令和5年) 追試 数学Ⅱ 第4問 解説

(1)

$y=\sin 3x+\cos 3x$ のグラフについて考える。

図A
大学入学共通テスト2023年追試 数学Ⅱ第4問 解説図A

$\sin 3x+\cos 3x$で三角関数の合成をすると、図Aより、
$\sin 3x+\cos 3x=\sqrt{2}\sin\left(3x+\dfrac{\pi}{4}\right)$
とかける。

解答ア:2, イ:4


ここで、グラフの移動や拡大・縮小について復習しておこう。

復習

$y=f(x)$のグラフの式の

平行移動
$x$に$x-p$を代入
→グラフは$x$軸方向に$p$平行移動
$y$に$y-q$を代入
→グラフは$y$軸方向に$q$平行移動

対称移動
$x$に$-x$を代入
→グラフは$y$軸に関して対称移動
$y$に$-y$を代入
→グラフは$x$軸に関して対称移動

拡大
$x$に$\dfrac{x}{a}$を代入
→グラフは$y$軸を中心として
$x$軸方向に$a$倍に拡大
$y$に$\dfrac{y}{b}$を代入
→グラフは$x$軸を中心として
$y$軸方向に$b$倍に拡大

縮小
$x$に$ax$を代入
→グラフは$y$軸を中心として
$x$軸方向に$\dfrac{1}{a}$に縮小
$y$に$by$を代入
→グラフは$x$軸を中心として
$y$軸方向に$\dfrac{1}{b}$に縮小

復習の「拡大」と「縮小」は同じことを言いかえているだけなので、片方憶えておけば大丈夫。

より、
$y=\sin 3x+\cos 3x$式A
のグラフの代わりに
$y=\sqrt{2}\sin\left(3x+\dfrac{\pi}{4}\right)$式B
を変形した
$\dfrac{y}{\sqrt{2}}=\sin 3\left(x+\dfrac{\pi}{12}\right)$式B'
のグラフを考える。

式B'は、$y=\sin x$ を材料にして、

$\hspace{24px}y=\sin \colorbox{#8FC31F}{$x$}$

$\hspace{72px}$ $x$に$3x$を代入(Step1)

$\hspace{10px}\colorbox{#F39800}{$y$}=\sin \colorbox{#8FC31F}{$3x$}$

$\hspace{6px}$ $y$に$\cfrac{y}{\sqrt{2}}$を代入(Step2)

$\colorbox{#F39800}{$\dfrac{y}{\sqrt{2}}$}=\sin 3\colorbox{#E60012}{$x$}$

$\hspace{86px}$ $x$に$x+\cfrac{\pi}{12}$を代入(Step3)

$\dfrac{y}{\sqrt{2}}=\sin 3\colorbox{#E60012}{$\left(x+\dfrac{\pi}{12}\right)$}$

という作業をした結果と考える。

これを図Bのグラフで表すと、復習より、
Step1 $y=\sin x$のグラフ(図Bのグレーの破線)を$x$軸方向に$\dfrac{1}{3}$に縮小して 緑のグラフにする Step2 緑のグラフを$y$軸方向に$\sqrt{2}$倍に拡大してオレンジのグラフにする Step3 オレンジのグラフを$x$軸方向に$-\dfrac{\pi}{12}$平行移動して求めるグラフ(赤いグラフ)にする 作業だといえる。

図B
大学入学共通テスト2023年追試 数学Ⅱ第4問 解説図B

図Bより、正しいグラフは、選択肢の
であることが分かる。

解答ウ:4

別解

上の解説ではグラフをちゃんと描いたけど、選択肢の中から正しいグラフを探すだけなら、次のような方法がはやい。

求めるグラフは、

式Aに$x=0$を代入すると
$y=\sin 0+\cos 0$
$\phantom{ y } =1$
なので、
$y$軸と$y=1$(図Cの赤丸の点)で交わる

式Aに$x=\dfrac{\pi}{2}$を代入すると
$ y=\sin\dfrac{3}{2}\pi+\cos\dfrac{3}{2}\pi$
$\phantom{ y } =-1$
なので、
$\left(\dfrac{\pi}{2},\ -1\right)$ (図Cの紫の丸の点)を通る

図C
大学入学共通テスト2023年追試 数学Ⅱ第4問 解説図C

式Bのグラフは$y=\sin 3x$のグラフがもとになっているので、
周期が $y=\sin x$ のグラフの$\dfrac{1}{3}$

である。

このうちのどれか2つを考えれば、あてはまるのは選択肢のグラフの
しかないことが分かる。

解答ウ:4

(2)

(i)

2倍角の公式より、
$y=2\sin x+\cos 2x$

$y=2\sin x+(1-2\sin^{2}x)$
$\phantom{ y } =-2\sin^{2}x+2\sin x+1$式C
と変形できる。

解答エ:-, オ:2, カ:2

$ 0\leqq x \lt 2\pi$
の範囲で
$t=\sin x$式D
とおく。

このとき、
$t$の範囲は
$-1\leqq t\leqq 1$
式Cは
$y=-2t^{2}+2t+1$式C'
となる。

式C'のグラフは上に凸の放物線で、軸(頂点の$t$座標)は、

復習

放物線
$y=ax^{2}+bx+c$
の軸(頂点の$x$座標)は
$x=\dfrac{-b}{2a}$

より
$t=\dfrac{-2}{2\cdot(-2)}$
$\phantom{ t} =\dfrac{1}{2}$
だ。

以上より、式C'のグラフを描くと、図Dのようになる。

図D
大学入学共通テスト2023年追試 数学Ⅱ第4問 解説図D

$t$の定義域は図Dの緑の範囲(境界線を含む)なので、
$y$の

最大値は$t=\dfrac{1}{2}$のとき(図Dの赤丸の点)。

このときの$x$は、式Dより
$\sin x=\dfrac{1}{2}$
だけど、
$0\leqq x \lt 2\pi$
なので、
$x=\dfrac{\pi}{6}$,$\dfrac{5}{6}\pi$

解答キ:6, ク:5, ケ:6

最大値は、式C'に$t=\dfrac{1}{2}$を代入して、
$$ \begin{align} -2\cdot\left(\dfrac{1}{2}\right)^{2}+2\cdot\dfrac{1}{2}+1&=-\dfrac{1}{2}+1+1\\ &=\dfrac{3}{2} \end{align} $$

解答コ:3, サ:2

である。

最小値は、$t=-1$のとき(図Dの紫の丸の点)。

このときの$x$は、式Dより
$\sin x=-1$
だけど、
$0\leqq x \lt 2\pi$
なので、
$ x=\dfrac{3}{2}\pi$

解答シ:3, ス:2

最小値は、式C'に$t=-1$を代入して、
$$ \begin{align} -2\cdot(-1)^{2}+2\cdot(-1)+1&=-2-2+1\\ &=-3 \end{align} $$

解答セ:-, ソ:3

である。

(ii)

(i)の結果から、このグラフは $ 0\leqq x \lt 2\pi$の間で
$x=\dfrac{\pi}{6}$,$\dfrac{5}{6}\pi$ のとき最大値$\dfrac{3}{2}$
(図Eの赤丸の点)
$ x=\dfrac{3}{2}\pi$ のとき最小値$-3$
(図Eの紫の丸の点)
をとる。

図E
大学入学共通テスト2023年追試 数学Ⅱ第4問 解説図E

これにあてはまるのは、選択肢のグラフのうちの
しかない。

解答タ:4