大学入学共通テスト 2025年(令和7年) 追試 数学ⅠA 第1問 [1] 解説

(1)

$2$を$13$で割ると

大学入学共通テスト2025年追試 数学ⅠA 第1問 [1] 割り算

となって、6回目の割り算で余りが2にもどる。
なので、7回目以降の割り算は1回目~6回目のくり返しになる。

したがって、$\dfrac{2}{13}$を小数にすると
$0.\dot{1}5384\dot{6}$
と表せる。

解答ア:8, イ:4, ウ:6

(2)

$m \lt n$ である自然数 $m,\ n$ について、
$\dfrac{m}{n}$
を考える。

$m$ を $n$ で割っていて余りに $0$ が出る場合

余りに $0$ が出るのは、割り切れる場合だ。
なので、
$\dfrac{m}{n}$は有限小数 である。

解答エ:1

余りに $0$ が出てこない場合

この場合、各回の割り算の余り$r$は
$0 \lt r \lt n$
の整数である。

つまり、余り$r$になることができる数は
$n-1$個 しかない。

よって、割り算を続けていると、いつかは必ず同じ余りが出てくることになる。

解答オ:1

したがって、
$\dfrac{m}{n}$は循環小数 である。

解答カ:2

(3)

(i)

まず、太郎さんの発言の確認から。

$$ \begin{align} \dfrac{2}{13}&=0.\dot{1}53ab\dot{c}\\ &=0.153abc153abc1\ldots \end{align} $$ の両辺を$10$倍すると、
$\dfrac{2}{13}\times 10=1.53abc153abc1\ldots$
となる。

小数部分に着目すると、この式の右辺は
$\dfrac{2}{13}\times 10=1.\textcolor{red}{\dot{5}3abc\dot{1}}$式A
とかける。

式Aの赤い部分が、求める $0.\dot{5}3abc\dot{1}$ だ。

なので、式Aの両辺から 整数部分の $1$ を引くと、
$1.\dot{5}3abc\dot{1}-1=\dfrac{2}{13}\times 10-1$
$$ \begin{align} 0.\dot{5}3abc\dot{1}&=\dfrac{20}{13}-\dfrac{13}{13}\\ &=\dfrac{20-13}{13}\\ &=\dfrac{7}{13} \end{align} $$ であることが求められる。。

というのが太郎さんの考え方だ。


同じ考え方で、$0.\dot{3}abc1\dot{5}$ の分数表記を求める。

$$ \begin{align} \dfrac{7}{13}&=0.\dot{5}3abc\dot{1}\\ &=0.53abc153abc15\ldots \end{align} $$ の両辺を$10$倍すると、
$\dfrac{7}{13}\times 10=5.3abc153abc15\ldots$
となる。

小数部分に着目すると、この式の右辺は
$\dfrac{7}{13}\times 10=5.\textcolor{red}{\dot{3}abc1\dot{5}}$式B
とかける。

式Bの赤い部分が、求める $0.\dot{3}abc1\dot{5}$ だ。

なので、式Bの両辺から 整数部分の $5$ を引くと、
$5.\dot{3}abc1\dot{5}-5=\dfrac{7}{13}\times 10-5$
$0.\dot{3}abc1\dot{5}=\dfrac{7}{13}\times 10-5$
と表せる。

解答キ:5

これを計算すると
$$ \begin{align} 0.\dot{3}abc1\dot{5}&=\dfrac{70}{13}-\dfrac{13}{13}\times 5\\ &=\dfrac{70-13\times 5}{13}\\ &=\dfrac{70-65}{13}\\ &=\dfrac{5}{13} \end{align} $$ となる。

(ii)

花子さんの発言と (i)の問題文の最後の部分を頭に入れて、これまでの作業を振り返ってみよう。


最初に計算した $2\div 13$ をもう一度載せた。

計算A
大学入学共通テスト2025年追試 数学ⅠA 第1問 [1] 計算A

(i)で考えたように、

$0.\dot{1}53ab\dot{c}$ の小数部分を$1$つずつずらした
$0.\dot{5}3abc\dot{1}$
を分数で表すと
$0.\dot{5}3abc\dot{1}=\dfrac{\textcolor{red}{\boxed{\textcolor{black}{20-13}}}}{13}=\dfrac{\textcolor{red}{7}}{13}$
だったけど、この式の
赤枠で囲んだ部分は、計算Aの赤枠で囲んだ部分と同じ それを計算した赤文字の部分は、計算Aの赤文字の部分と同じ

$0.\dot{1}53ab\dot{c}$ の小数部分を$2$つずつずらした
$0.\dot{3}abc1\dot{5}$
を分数で表すと
$0.\dot{3}abc1\dot{5}=\dfrac{\textcolor{seagreen}{\boxed{\textcolor{black}{70-65}}}}{13}=\dfrac{\textcolor{green}{5}}{13}$
だったけど、この式の
緑の枠で囲んだ部分は、計算Aの緑の枠で囲んだ部分と同じ それを計算した緑の文字の部分は、計算Aの緑の文字の部分と同じ

だ。


このことから、

$0.\dot{1}53ab\dot{c}$ の小数部分を$3$つずつずらした $0.\dot{a}bc15\dot{3}$ を分数で表すと、計算Aのオレンジの文字の部分から
$0.\dot{a}bc15\dot{3}=\dfrac{\textcolor{chocolate}{11}}{13}$

$0.\dot{1}53ab\dot{c}$ の小数部分を$4$つずつずらした $0.\dot{b}c153\dot{a}$ を分数で表すと、計算Aの紫の文字の部分から
$0.\dot{b}c153\dot{a}=\dfrac{\textcolor{darkmagenta}{6}}{13}$

$0.\dot{1}53ab\dot{c}$ の小数部分を$5$つずつずらした $0.\dot{c}153a\dot{b}$ を分数で表すと、計算Aの青文字の部分から
$0.\dot{c}615a\dot{b}=\dfrac{\textcolor{royalblue}{8}}{13}$

であると考えられる。


以上より
$\left\{\begin{array}{l}
0.\dot{3}abc1\dot{5}=\dfrac{5}{13}\\
0.\dot{a}bc15\dot{3}=\dfrac{11}{13}\\
0.\dot{b}c153\dot{a}=\dfrac{6}{13}\\
0.\dot{c}615a\dot{b}=\dfrac{8}{13}
\end{array}\right.$
であることが分かる。

これらの分数の分母は素数の$13$なので、これ以上約分することはできない。

したがって、分子を小さい順に並べると
$5,6,8,11$
となる。

解答ク:5, ケ:6, コ:8, サ:1, シ:1